ノーベル賞を訳す

1-58です。 The land rose and fell gently, and the fields were bordered by the hedges and trees. 今回も短い文です。56番では受動態で by が二回出てきました。今回もやはり by が出てきます。目に見えながら消えていくというような場面では、by …

1-57です。 What I saw was principally field upon field rolling off into the far distance. 分解というより、品詞を意識した修飾関係を正確に分析する必要がありそうです。 What I saw が主語です。「私が見たものは」です。 was が動詞です。その w…

1-56です。 Here one was met by a bench - and indeed, by a most marvellous view over miles of the surrounding countryside. 受動態です。が、教科書的な受け身というやつではないですね。カズオ・イシグロのセンスはさすがです。 受動態の文が二つ…

1-55です。 I then reached a small cleaning, undoubtedly the spot the man had refered to. 100メートルばかりジグザグに登ったら、ちょっと開けたところにスチーブンスはついたようです。メートルと書きましたが、本当はヤードですね。 今回も念…

1-54です。 Cretainly, it was quite a strenuous walk - though I can say it failed to cause me any real difficultty - the path rising in zigzags up the hillside for hundred yards or so. 体力があるところを見せたかったのか、住民の勧めに従…

1-53です。 In any case, I am very glad I did so. 今回は短いですね。助かります。 気をつけるとすれば、時制です。 前半の I am は現在形、後半の I did は過去形です。つまり、 今は喜んでいる、わけで、それは、過去のその時にそうしたからです。 …

1-52です。 But this morning, I must say, I found it quite offensive and it may well have been the urge to demonstrate just how foolish his insinuation had been that caused me to set off up the footpath. 久々に長い文で、入り組んでいるよ…

1-51です。 that is to say, he intended it as a bantering remark. 前の文はセミコロンで終わっていました。その中身ということです。 that is to say はもう何回も出てきています。スチーブンスの口癖といってもいいようですが、熟語と考えてもいいし…

1-50です。 It occurs to me now that the man might just possibly have meant this in a humorous sort of way; 会話調の短い言葉のやり取りから、説明調のちょっと長めの文になりました。 occurs と現在形になっているところがミソですね。 スチーブ…

1-49です。 A couple more years and it might be too late' - he gave a rather vulgar lough - 'Better go on up while you still can.' 今回は長いですね。と言っても途中にハイフンで挟まれた部分が挿入されているせいです。 住民の発言の途中で、ど…

1-48です。 And you never know. 今回も短いです。たった四つの単語です。 「そして、あなたは決して知らない」 で間違いはないのでしょうが、訳として能がないですね。 どういう状況化を整理してみると、次のようなことになります。 スチーブンスを見つ…

1-47です。 'I'm telling you, sir, you'll be sorry If you don't take a walk up there. sir は敬関詞です。つまり、住民はスチーブンスのことを sir と認識していることを表しています。 訳としては、そういう sir と認識している人に対する言葉遣い…

1-46です。 I glanced up the path which did look steep and rather rough. which は関代ですね。先行詞は the path ですが、後ろから訳すより、前から訳してきた方が自然です。 did は、強調ですね。間違いなく見えた、と力んでいるのですが、look を…

1-45です。 I mean, even I can manage on a good day.' ここまでが住民の発言です。引用符が閉じられているのは、その印です。 I mean は、「私が意味するのは」と訳せばいいと思うのですが、「もっとも」とか「いやね、」のような言葉をつなぐような訳…

1-44です。 I'd say you could make your way up there, no trouble. 'd も could も仮定法ですね。住民が思ったことを表現しています。 I'd say は、「私は言うつもりだ」とか「私は言いたい」という感じです。結果的には、「~でしょう」と丁寧な婉曲表…

1-43です。 'I can see you're in good shape for your age, sir. 住民の話したことが始まります。引用符から始まっているのが、それを示していますが、閉じかっこは1-45番の文についています。 特に煩雑な文ではないのですが、sir には気をつけてく…

1-41です。 But I tell you, you need a good pair of legs and a good pair of lungs.' 最後が引用符で閉じられています。ここまでが住民が言ったことになります。 で、その言っている意味ですが、やはりとぼけているという感じですね。 「その年で、行…

1-40です。 'You won't see a better view in the whole of England. 今回も簡単で助かります。 会話というのは、身振りだったり、話し声の大きさや調子が伴って表現されているので、文自体は簡単になったり、省略が多くなったりするのでしょう。 それだ…

1-39番です。 The fellow did not seem to understand me, for simply said again. これは複雑なところはなく、頭から読んでくれば理解できますね。 「住民は私の言うことが理解できなかったように見えました。そこでもう一度繰り返したのです」 となり…

1-38です。 To see the best before I have properly begun would be somewhat premature.' ここまでがスチーブンスの住民に対する発言です。最後に引用符で閉じられています。 結構絡み合った文なので、分解してみることにします。 ① To see the best ②…

1-37です。 I happen to embarking on a motoring trip during the course of which I hope to see many splendid views. 今回の文は、やや複雑に見えます。 久し振りに分解してみます。 ① I happen to embarking on a motoring trip ② during the cours…

1-36です。 'If what you say is true,' I said, 'I think I'd rather stay here. 日向ぼっこの住民の言葉に対して、スチーブンスが答えた言葉ですが、これで終わりではなく、38番の文まで続きます。ご注意ください。 で、今回の文のポイントは、 what…

1-35です。 And you won't get a better view anywhere in the whole of England.' ここまでが地元の住民が話していたことになります。 というわけで、31番の文から始まった引用符がここで閉じられます。 簡潔ですが、いい文だと思います。 won't は、…

1-34です。 There's a nice little spot up there, a bench and everything. これも there is 構文の見本みたいな文です。 a nice little spot が主語ですね。 a bench and everything は、spot と同格で、主語です。 「上には すばらしい 小さな 場所が…

1-33です。 But if I was in better shape, I'd be sitting up there. 教科書の仮定法の例文のような英文です。 仮定法過去というやつですね。「現在の事実に反する仮定」を表していると説明されるものです。反する、なんていう言葉を使うので、ドキッと…

1-32です。 Me, I haven't got neither, so I stay down here. 今回もこれだけです。会話は短いもんですね。 最初の me は、動詞に対しての間接目的語になります。 例えば、ask という動詞を考えると、Do you ask me a reason? という文が浮かびます。 …

1-31です。 'You got to have a good pair of legs and a good pair of lungs to go up there. 今回の文はここまでです。 はじめは引用符から始まっていますが、住民の言っていることなんですね。 で、この発言は、1-35の文まで続き、そこに引用符の…

1-30です。 The fellow gestured up the footpath. 今回も短いです。分解の必要はなさそうです。 「住民は身振りで脇道を指し示しました」 ですね。 あごをしゃくったのか、指で指したのか、などの動作で、登っていく小道を教えてくれたわけですね。登れ…

1-29です。 'I beg your pardon?' 今回は辞書に出ているそのままの形ですね。助かります。 ただし、ここでは、この言葉を言っているスチーブンスは、相手を sir と認識していることが重要です。 つまり、28の文にあったsir が、この文にも作用している…

1-28です。 'Just wondering, sir,' he said, as I approached, 'how fit your legs were.' 今度の文も短いです。 会話なので、よけいそう感じます。言葉が省略されているのかもしれません。 分解してみます。 ① 'Just wondering, sir,' he said, ② as I…