7番の文です。

 

Having made this announcement, my employer put his volumes down on a table, seated himself on the chaise-longue, and stretched out his legs.

 

Having made this announcement, から始まっていますが、この Having made は、

have + p.p. という形で、現在完了形 ということになります。

それが having になって、さらに進行形になっているわけです。あわせて、

「現在完了進行形」ということですが、「現在進行完了形」とは言わないのだろうか、などと余分なことを考えてしまいますが、この p.p. 部分を複合形にすると、つまり、

have 動詞なら、have + p.p. ですが、これを過去分詞形にすると、had + p.p. になり、またもや p.p. が出てきてしまいます。このp.p. を・・・とやっていると無限に続きますが・・・。

こうなってしまう原因は、ノーベル賞作家の原文にありと思うのですが、

複合形の Having made ではなく、単純形の Making であれば、ややこしくはなかったと思います。

 

さて、訳ですが、

「そうおっしゃりながらでございましたが」と、

「ながら」と「ました」が、二つとも入ればいいのではないかと思います。

なお、この having は、現在分詞です。前の文の ing は、動名詞でしたが。

 

続いて、my employer がいろいろなことをするわけですが、三つのことをします。

その三つのこと a b c を並べる場合、文法書には、

a, b and c という具合に、初めの二つはコンマで区切るが、その後は and を入れてつなぐ、と書いてあり、その例が示されていることが普通です。

ただし、and の前に「 , コンマ」 を入れることがある、と注釈を添えるのですが、その例は、省略されてしまうのが多いものです。

その例に、ここで出会うことができました。うれしいですね。

並び替えてみましょう。

 

my employer put his volumes down on a table,

                      seated himself on the chaise-longue,

               and stretched out his legs.

となります。動詞の位置を基準に三行をあわせて並べましたが、

a table の後ろに第一のコンマがあり、and の前、つまり chaise-longue の後ろに、第二のコンマがあり、こっちが入れてもいいコンマです。

 

「テーブルに本を置いてから、長椅子に腰を沈めて、足を伸ばされたのでございます」

 

としましたが、ここでは、1番目と2番目の間に、「から」をいれて、2番目と3番目の間には、何も入れない方が自然のようです。

 

「テーブルに本を置いて、長椅子に腰を沈めてから、足を伸ばされたのでございます」

 

でも、悪くないですね。

 

ということで、

「そうおっしゃって、テーブルに本を置き、長椅子に身を沈めてから、足を伸ばされたのでございます」

と訳しました。

 

8番の文です。