10番の文です。
Why don't you take the car and drive off somewhere for a few days?
クオテーションの中の2番目の文です。ファラディさんが言っていることですから、スチーブンスの文と違って、回りくどくなく、鷹揚な感じが出ているのは、日常的な、ありふれた構文が使われているからだと思います。
Why ~ ?
Why not ~ ?
は日常的に使われているようで、反語というもののようです。
文法書の例文では、こんなのがありました。
Why don't you get more exercise? もっと運動したらどうですか。
Why don't you ~ は、「してはいかがですか」「しましょうよ」など、相手に何かを提案したり、勧めたりすると書いてありました。
また、Why don't we ~ だと、「(一緒に)しましょうよ」と誘うようです。
つまり、いずれにせよ このnot は、訳には出てこないようですね。つまり、
Why not ? は、「なぜいけないの?」から意味が進化して、反語として「もちろん、いいよ」で使われるわけです。
で、Why ? だと、書いてない not が前面に出てきて、「だめだよ」となるようですね。
文の中ほどに and があります。
and は、等位接続詞ですから、文法的に同じ力を持つものをつなぎます。この場合、
you take the car と drive off somewhere とをつないでいます。もっと絞り込めば、
take と drive という動詞二つをつないでいるわけです。
英語の文では、一つの文に動詞は一つ、という決定的な決まりが、あまり意識はされていませんが、あります。
つまり、この10番の文は、それほど長くはありませんが、二つの文が接続されてできているのです。
クルマを引っ張り出す それから 二三日乗りまわす という構造になります。
後ろの動詞を不定詞 to drive にすれば、
Why don't you take the car to drive off somewhere for a few days?
と書き換えることができ、動詞は take だけ、つまり一つになるので、これは一つの文になります。
不定詞の用法としては、「直前の名詞の内容を説明する」あたりが近いでしょうか。
書き換えずに、and のままにしておいた方が、分かりやすかったようです。
ということで、
「クルマでも引っ張り出して、二三日どこかのんびりと行って来たらどうだい」
と訳しました。
ところで、off が使われています。無理に日本語を考えなくてもいいかもしれないところですが、ちょっと off の気分というか、それを使った理由が何かあるはずだと考えて、「のんびりと」と訳しました。
この off のつながりがよくわからないところではあります。つまり、
drive を off するのか、off だから drive するのか、が気になりますが、上記の訳でもそんなに遠くはないと思います。