16番の文です。
This was not the first time my employer had raised such a question;
終わりのところは、セミコロンになっています。次の文は、文法的には切れているものの、内容的には関係していますということなのです。
それはそうとして、文を見てみると、
This was not the first time (これは最初ではなかった)
my employer had raised such a question; (雇い主はこういう質問をした)
と、二つの文があることがわかります。
and でも but でも適当な接続詞を補ってつなげば、落ち着きます。
が、that でつなぐと、this が形式主語、that 以下が真の主語となって、
「私の雇い主がこういう質問をしたのは初めてではなかった」
と訳せます。初めてではなかったことを強調しているようにもなりましたが、強調構文の変形(it の this 版)とも言えます。
ということで、二人の関係を訳に取り入れて、
「私の主人がこの手の質問をなさるのは、初めてのことではございませんでした」
としました。