21番の文です。

 

I thus contented myself by saying simply:

 

短い文です。コロンで終わっています。つまり、文としてこれで完結するのですが、内容は次の文に詳しく書きます、ということです。

 

コロンとセミコロンの違いは、書き手がそれぞれ好きなように使っている気がしますが、コロンは、ピリオドの上にピリオドを添えたもので、セミコロンは、コンマの上にピリオドを添えたものと考えています。つまり、ピリオドのピリオド寄りの奴と、ピリオドのコンマ寄りの奴と考えるといいようにみえます。今までの経験上それで不都合なことはないように思います。

 

さて、この文は特に難しい単語もないし、文法的にもSVOの構文で、混乱するようなことはなさそうですが・・・。

 

myself という言葉が、多少気になります。

これは、いわゆる格変化として I  my  me  myself  と変化するのですが、me の目的格「私を」の強調として使われるようです。

「私自身を」ということで、性格とか好み、さらに考え方とか主張なども含まれているわけですが、自分自身を客観視しています。「私のこと」と外から自分を見ているわけですが、どうも日本語ではなじめない概念のように思います。他動詞というのが、なじめないのですね。英語は SVO というのは平気というか、自然です。

 

さて、それはともかく、直訳すれば、

「私は、このように、私自身を含めました、単純に言うことによって」

となります。

 

thus「このように」 は、このときの自分自身の行動全般を指していると思えばいいと考えます。「このときは」とか「そこで」あたりも、良さそうです。

 

「私自身を含めました」というのは、自分自身の考えは包み込んで、見えないように、分からないようにしたわけです。相手がわかっていること、つまり言ったことだけはわかっているので、「言うだけにしました」とすればいいです。

saying 「言うこと」は動名詞ですが、このまま名詞として訳すと、日本語としてはぎごちないようで、動作として訳すと自然です。

あわせれば、

「言うだけにしました」とか「申すだけにいたしました」とかにするわけです。

 

まとめて書けば、

「そこで、私はただこう申し上げました」

と訳しました。

 

で、コロンでいったん切れて、そのあとに申し上げたことが続いていくことになります。