23番目の文に行きましょう。
Mr Farraday did not seem to understand this statement, for he merely went on:
コロンで終わっているのは、文としては完結しているが、内容は続くという意味です。
内容は、次以降にするわけですが、文の形としては、特別難しくはないようです。
自分から相手が見えた様子と、そう見えた理由を添えつつ、実際の相手のとった行動を簡潔に述べているだけです。
気にすべき言葉は、for と merely になるでしょうか。
for には、「のために」から進化して、何らかの理由・原因、あるいは結果などを結び付ける気持ちを表すようです。
その部分の訳は、「というのも」で始めたり、「~からである」で終わればいいようです。
merely は very とも共通するようで、特定のことがらを指しているとき、外側から表現するか、内側から表すかの違いのように思います。
対応する日本語を探すのではなく、言い回しにそういう意味を込めるのが日本語らしいかなと思います。
ということで、次のように訳しました。
「ファラディ様は私の言ったことがお分かりにならなかったようで、ただ次のようにおっしゃられただけでございました」