38番です。

 

Who knows how many quarrels, false accusations, unnecessary dismissals, how many promisng careers cut short can be attributed to a butler's slovenliness at the stage of drawing up the staff plan?

 

quarrel     けんか 反目 口論 仲違い 苦情

false     誤った 間違った 事実に反する 虚偽の  

accusation  起訴 告訴 告発

unnecessary 不必要な 無用な 場違いな

dismissal  退去 免職 解雇 放棄

promising  前途有望な 見込みのある 期待できる

attribute  に帰する のせいにする にあると考える

slovenliness  だらしなさ ずさんさ

draw   引く 引っ張る 線を引く 

 

この文は、疑問文になっています。反語というやつでしょうか、常識的な範囲であれば答えの内容が強調されるのですが、そこから外れると、ボケとツッコミのやり取りになってしまいますが。

 

とりあえず、並び替えましょう。

 

1  Who knows

2                     how many quarrels,

3                                          false accusations,

4                                          unnecessary dismissals,

5                     how many promisng careers cut short

6                                               can be attributed

7                                                          to a butler's slovenliness

8                                                                 at the stage of drawing up the staff plan

9                  ?

このようになりそうですね。

 

よく見ると、Who knows ? となっています。疑問文ですから Who does know ? とするべきだと、日本人の中学生なら多分バツにされてしまいます。が、こう書くとノーベル賞に近づきます。

「誰が知っているでしょうか」というのは、内容は「誰でも知っているぞ」という強調を表すわけで、who というのは疑問詞には違いないけれど、疑問強調詞というべきだねと、勝手に造語して、次へ行きます。

 

こんどの how は、二つあります。感嘆文の変形で、なんとなく対句のようになっていますね。

「いかに多くの争いがあったか」、その争いとは、「間違った告発」やら「理不尽な転換」になってしまい、さらに

「いかに多くの前途有望な人材が途中で退職したか」ということは、

「管理計画の立案段階での、執事の職務倫理を逸脱した怠慢によるものだったことを」

「誰でも知っている」

となりますね。cut short 

 

文法的には、この二つの how 句が、6行目の動詞 can be attributed の共通の主語となっています。

また、注目すべきは、この動詞の時制は現在形になっていることです。1行目の knows とともに、スチーブンスの記憶では、こういうことが過去のことであるにもかかわらず、常に繰り返されて、今に至っているのが表されているようです。

3行目と4行目は、2行目の quarrels を具体的に説明したもので、たくさんありすぎるけど、例として二つほどあげてみたという感じでしょうか、and や or の接続詞は使っていません。

5行目の cut short は、cut は過去分詞で、その前に be を補ってやるとわかりやすくなります。「短く中断されてしまった前途有望な才能が、どれだけ多くいたことか」という内容です。

 

ということで、

「どなたもご存じでございましょうが、管理計画が不十分だったために、職場内に多くの反目が生まれ、さらに諍いに発展し、理不尽な退職に追い込み、その果てに前途の有望な目を摘んでしまうことが往々にしてございました」

と、教室では訳しましたが、これでいいかなと思います。。