47番です。小文字から始まっています。前の文に続いて、内容を補足しています。
and I regret to report that once the purchase had been completed, there was little I cpuld do for Mr Farraday to prevent all but Mrs Clements leaving for other employment.
regret を後悔する 悔いる
purchase 購入 取得
complete 全部の 完備した 完成した 完了した
例のごとく分解すると、こんな具合になるでしょうか。
1 and I regret to report that
2 once the purchase had been completed,
3 there was little I could do
4 for Mr Farraday
5 to prevent all
6 but Mrs Clements
7 leaving for other employment.
そんなに入り組んではいないようです。
1行目は、that 以下のことを報告するのは残念だと言ってますね。
2行目は、時間を表しているのですが、when ではなくて、once になっています。
ピンポイントの時間と考えればよく、「時点」とすればいいと思います。
「譲渡契約が完了した時点で、~と報告することを後悔しました」と、
なって、~の部分がつぎの行からになります。
3行目は、確かにこういう言い方もできるなぁという例ですが、4,6行目を飛ばして、5行目と7行目を読んでいけばわかりやすいです。
つまり、
there was little I could do to prevent all leaving for other employment.
を読んで、それから飛ばした間の句を挿入すれば完了です。
ここの could は, 仮定法ではなくて、時制の一致です。主節の was の過去時制にあわせて、can を could と過去形に変化させています。
there was は、~があります というやつで、there は特に訳さなくてもいい、と教えられたと記憶しています。「そこに」と訳さなくてもいいわけです。
There is a book. 本がある。
There was a book. 本があった。
となり、「そこに」は書かないのです。
形からは、there が主語に見えてしまうのですが、There is a book. There are books. などのように、be 動詞の後の名詞の単複に応じて、be 動詞は変化します。つまり、 there は主語ではないわけです。
ちなみに、「あるなし」にかかわる表現は、英語、フランス語、中国語など、みんなに特別な言い方をします。多分ほかの言語でも、特殊な言い方をしていると思います。
で、ここでは、little があるので、否定的に訳して、
「できたことは、ほとんどなかった」
となります。
結果は、何もしなかった、ことを言っているのですが、「できなかった」とやれば、無能ということになってしまうわけで、できることがなかったことが悪いのであって、私は悪くないという、スチーブンスの責任転嫁ぶりが見事です。
7行目の、 leaving for other employment では、leaving は現在分詞で,後ろから 5行目の all を修飾しています。
「ほかの職場を求めて離れていく」みんな(職員、召使いのこと)
と、なります。
5行目は、不定詞ですが、「~を防ぐこと」という名詞として、3行目の do の目的語になるというわけです。
ということで、残っている部分を入れてまとめれば、
「みんなが、クレメンツさんを除いてですが、ほかの職場を求めて離れていくことを防ぐために、ファラディ様のためにできることは、ほとんどなかったと報告しなければならないことが、残念でございました」
となりました。
スチーブンスの言葉で書くと、
「私が申し訳なく思うのは、契約が完了したときに、クレメンツさんだけはお残りいただけたのですが、ほかの召使の転出を防ぐようファラディ様のためにできることがほとんどなかったことでございます」
と訳しました。