67番です。

 

Almost all the attractive parts of the house could remain operative:

 

最後は、コロンで終わっています。文としては気切りをつけても、内容的には続くということです。

コロンを強いて訳せば、

「・・・、すなわち」とか、「・・・、つまり」などに

なるでしょうか。

 

house までが主語、could remain が動詞、operative が補語、という SVC の文形です。

主語部分が長く、あまり見かけない文章ですが、その分新鮮に思えます。

 

could は、仮定法です。

仮定法は、頭で考えたことを、表現するときに使うのですが、

その目印として、助動詞の過去形 could や would 、might 、should を使います。

その頭が、自分の頭で考えたことであっても、相手の頭が考えたことであっても、

使う助動詞は、同じで、しかも過去形です。

ここにちょっと違和感を感じたり、混同したりする原因があります。

落ち着いて、誰の頭か、を考えてください。

 

ここでの could は、スチーブンスの頭を、示しています。

スチーブンスが、自分の頭では、閉鎖していないところだって、十分魅力的だぞ、と思っているわけです。

 

というところで、コロンも含めて訳せば、

「この邸館の魅力的な機能は、ほとんど損なっていないと存じます。つまり、」

となりました。