102番です。
But then there is one lounge suit, passed on to me in 1931 or 1932 by Sir Edward Blair - practically brand new at the the time and almost a perfect fit - which might well be appropriate for evenings in the lounge or dining room of any guest houses where I might lodge.
長い文ですが、構造を見ましょう。
But then
there is one lounge suit
, (that) passed on to me in 1931 or 1932 by Sir Edward Blair
- practically brand new at the the time and almost a perfect fit -
which might well be appropriate
for evenings in the lounge
or dining room of any guest houses
where I might lodge.
このように分解できます。passed の前に関係代名詞 that を補いました。
つまり、先行詞 one lounge suit は、二つの関係代名詞で修飾されています。
また、might が二つありますが、どちらも仮定法で、想像していることを表しています。
「ふさわしいと思われる」
「私が泊まることになるかもしれない」「私が泊まるかもしれないような」
と、スチーブンスが、現在のことではなく将来のことを考えていることを表しています。将来のことですから、当然今現在のことではないわけで、すなわち目の前にはない事柄ですから仮定法で表現されるわけです。
しかも、注目してほしいことは、将来のことが might という過去形で表されることです。ここが英語の面白いところだと、私は感じています。
この前の文(101番)では、スチーブンスは、服はたくさんあるけど、格式張っていたり、古臭かったり、と悩んでいました。その流れで、But then は、「しかし、それから」よりも、「例えば、」の方がよさそうです。
挿入節があって複雑に見えますが、順に訳してくればよさそうです。
「例えば、1931年か1932年のことですが、エドワード・ブレア卿がお譲りくださった服がございます。その時には、全くの新品といってよく、私にもよく似合ったのでございまして、私どもが泊まれるようなホテルのラウンジやダイニングでは、全く気後れなどしなくてもよいものでございますが」
としました。