109番です。

 

They were written during the thirties, but much of it would still be up to date - after all, I do not imagine German bombs have altered our countryside so significantly.

 

前の文で是非とも読んでくださいとスチーブンスが言いましたが、その理由ですね。

ハイフンが一つしかありません。この部分は、挿入というより、注釈という感じです。

 

They と it が一つの文に入っているので、一瞬戸惑います。

they で始まっているのは、前の文での seven volumes を指します。著作が7巻にもわたっていることから、当然複数になるわけで、全巻という意味です。

その次 but の後ろは much of it と 単数の it の方は、each one を指します。

これは、各巻という意味で、それぞれの巻の大部分は、今でも通用するといいたいわけです。

 

そして、その通用する理由は、ドイツ軍の空襲・爆撃はブリテン諸島の姿を変えたわけではなく、戦前の描写で十分通用すると力んでいるわけです。

 

imagine は、think でいいわけですが、謙譲語っぽく使っていますね。

前にも、you realize が you know の場面で使われていました。you raise が you say の場面で、また、you think で you imagine が使われるなど、英語にも敬語的な表現がないわけではないと、私は考えています。

また、not で否定をしていますが、この一回の否定を、どこでするかが、つまり否定語の位置が、訳したときの自然さを決めると思います。

「変えたとは思わない」とするか、「変えなかったと思う」とするかですね。

 

ということで、

「この著作は、三十年代に執筆されたものでございますが、今日でもまだまだ十分に通用する内容だと存じます。なぜなら、ドイツ軍の爆撃はございましたが、国土の景観を変えてしまうほどのものではなかったと思うのでございます」

としました。

 

最終的に、

「三十年代に書かれたものでございますが、今なお輝きを失っておりません。もちろん、ドイツの爆撃がございましたが、わが国土をさほど変えたとは思えないからでございます」

となりました。