141番です。

 

In any case, Mr Farraday seized the opportunity to grin broadly at me and say with some deliberation.

 

in any case   どんな事情にせよ ともかく = anyway

seize   急にぐいとつかむ とらえる

grin   にこっと笑う

broadly   大雑把に 幅広く

deliberation   熟考 慎重さ

 

前の文は、スチーブンスが余分なことを言ってしまったと突然黙り込んでしまったところでした。

その時の、ファラディさんの様子ですが、ちょうど冗談を飛ばして人をからかいたいと思っていたところだったわけで、思うつぼということになります。

 

文法的には、特に複雑なことはなく、頭から順に訳していけばよさそうですが、念のために分解してみます。

 

① In any case,

② Mr Farraday seized the opportunity

③                                        to grin broadly at me

④                                     and say with some deliberation.

 

こんな風に分解できます。

④の say は動詞の原形ですから、不定詞というわけで、to grin と to say という同じ不定詞が and で結ばれているのです。

つまり、to grin と to say という不定詞が the opportunity にかかっているというわけです。

なぜなら、②は時制が過去ですから、say の主語が Mr Farraday だと考えると、時制の一致で、これは said と過去形にならないとおかしなことになるからです。

にこっと笑って、そして、重々しく言う ためのちょうどいい機会をつかまえた、ということです。

 

ということで、

 「ともかく、ファラディ様はいい機会を捕まえたとばかりに、私に向かってにやりと笑い、重々しくおっしゃったのでございます」

としました。