153番です。

 

Embarrassing as those moments were for me, I would not wish to imply that I in any way blame Mr Farraday, who is in no sense an unkind person;

 

セミコロンでおわっていますから内容的には次の文に続くわけですね。ただし、文法的にはこの文だけで完結しています。

 

まず分解してみます。

 

① Embarrassing as those moments were for me,

② I would not wish to imply that

③                             I in any way blame Mr Farraday,

④                                                    who is in no sense an unkind person;

 

このように分解できるでしょうか。

 

①の were と②の would が、仮定法の形で呼応しているように見えます。

が、表現されている内容は過去の時点での事実とも考えられる事柄で、直説法の過去形で表現できるものです。それは時制の一致ということで、仮定法と考える必要はないものです。

ただし、動揺というものは目には見えないわけで、そういうものを感じるのは頭の中の意識の働きだと考えれば、これは仮定法とも見れます。

直説法のような、また仮定法のような、というところで、どちらともとれるような中間の気分を表しているのだなと考えておくのがいいように思いますが、as が今度は気になりますね。 

そういうところで ①は、普通の形に書きかえれば、

As those moments were embarrassing for me,

となり、as の役割もはっきりします。原因結果の訳を付ければ、ので、とか、だからを入れればいいことになります。

ということは、those momennts という複数形に対応した過去形の were と、祖の過去形に一致させた意志未来 will の過去形 would という組み合わせであったわけで、仮定法ではないのですね。

those moments が主語で、were が動詞の過去形、embarrassing が補語という、SVC の文型です。

時間が動揺していました、という直訳になるのですが、動揺しているのは時間ではなく、本当はスチーブンスの気持ちです。

穴があったら入りたい、とか、消えてしまいたい、けれど、その場にいて旅行の許しを得なければならないし、さらにガソリン代の件も言質が欲しい、ということで消えるわけにはいかないし、時間がたつほど動揺が大きくなるというところです。

 

②は that 以下を吹き込もうとはおもっていない、ということですね。

 

③と④は、同じ形の in any way と in no sense を挿入して強調しながら形を整えています。対句っぽくなっています。

挿入したものを取り除くと、文が見通しやすくなります。

I blame Mr Farraday who is unkind person.

who という関係代名詞の一番最初の例文にありそうな文になりました。

これに取り除いた前置詞句をいれて強調すればいいわけです。

 

まとめて、

「ファラディ様が、いかなる意味でも思いやりのない方であると、非難する気持ちはこれっぽっちもありません」

ですね。

 

というところで、

「当惑したのでございますが、だからファラディ様は思いやりの気持ちをまったくお持ちでない方だと非難しようとはぜんぜん思いません」

としました。