168番です。
or indeed, reciprocate with some remark of my own.
今度も短い文です。
というか、先頭は小文字で始まっていますし、前の文はセミコロンで終わっていました。前の文と一体のようですね。
ということで、reciprocate は 前の文の動詞、was expected to に続く不定詞なのですね。つまり、
was expected to laugh と was expected to reciprocate の二つのことが不定詞で表されていて、その二つが or という接続詞で結ばれているという構造です。
「そうでなければ、私独自の冗談を返すべきでした」
と、直訳できます。
ファラディ―さんの冗談に、素直に笑うか、あるいは、一歩進めて、気のきいた冗談を言うことで返すか、ということが期待されていたんだけれども、という状況ですが、
スチーブンスは、頭ではわかっちゃいるけど、体が反応しない、というわけですね。
ダーリントン卿の時代には、しかめっ面で言われたことを言われた順にこなしていればよかったわけで、ファラディ―さんの時代になって、仕事の質の変容を要求されているのについていけないということですね。
時代が大きく変わっていく時、なかなかその変化に馴染めないのは当たり前ですが、スチーブンスは真面目なだけに、よけい動きがとれないという感じですね。
ということで、直訳のままで、
「そうでなければ、私独自の冗談を返すべきでした」
とします。