168-b 番です。(番号を付けるときにミスをしたため、ーbになっています)
This last possibility is one that has given me some concern over these months, and is something about which I still feel undecided.
とりあえず分解してみます。というほどのことはないのですが、one と something との対比が分かるようになります。
① This last possibility is one
② that has given me some concern
③ over these months,
④ and is something
⑤ about which I still feel undecided.
こんな風に分解すれば、文の構造がはっきりします。
This last possibility が主語で、is が動詞、補語がone と something の二つになっているわけです。
「この後者の可能性は、one と something です」となるわけです。
後者というのは、「スチーブンス独自の冗談を返す」ということで、前者は冗談を理解したという意味の「笑いだけを顔に浮かべる」ということですね。
③は、副詞の働きをしている前置詞句です。
「このところの何か月の間に、わたしにある考えを与えていた」です。
⑤は、④の something を先行詞とする関係代名詞 which の内容ですが、その関係代名詞 which は、前置詞 about の目的語にもなっていて、それらが something にかかっています。
「そしてまた、決定できないままの何かでもありました」
と直訳できるのですが、単純に同じ言葉での対句ではなく、少しずつことばをかえての対比と、それから受け取る時間の経過、心の変化などが感じられる文です。さすがノーベル賞と思います。
というところで、まとめると、
「何か月かすると、笑うだけより私なりの冗談をお返しした方がいいと思うようになりましたが、なかなか踏ん切りがつかないのでございます」
としました。
教室では、
「この後者の可能性については、数か月にわたって私の悩みの種となり、いまだに思いあぐねていることなのでございます」
という訳が出ました。