186番です。
文番号は、186,187,188と別れていますが、短いスチーブンスの発言です。まとめてやってしまいます。
186 After a moment or two, I said:
187 'More like swallows than crows, I would have said, sir.
188 From the migratory aspect.'
186は、一つの瞬間、か、二つの瞬間、かですから、
「一呼吸おいてから、お応えしました」
あたりでいいと思います。
187は、would が仮定法です。ご主人様に対する敬意を表していますが、今まで訳してきたように「でございます調」に似合う言葉遣いなら、それでいいわけです。
この文は倒置されています。普通の語順に直せば、
I would have said More like swallows than crows, sir.
となります。
「カラスと申すより、ツバメと申す方がようございます」
として、188を付けくわえればいいですね。
188は、印象と、習性の二つの側面から判断すると、と言っています。
この辺りが、スチーブンスの冗談のオチの決め手になるようですが、ちょっと弱いですね。
カラスは定住性の鳥であり、ツバメは移動性の渡り鳥であるということを冗談で表現して、ファラディ―さんをぎゃふんと言わせようと作戦を練ってきたのですが、うまくいくといいですが。
「移動することを考えると」
としておきます。
まとめると、
「私は一呼吸おいてから、お応えいたしましたが、カラスと申すより、ツバメと申した方がようございます。移動してきていますから」
となりますが、カラスとツバメが反対のように思いますというか、移動の定義が問題だと思います。
つまり、ジプシーとしての移動か、行商としての移動かが、はっきりしていないことですね。
どっちがいいのでしょうか。