196番です。
But at the same time, I cannot escape the feeling that Mr Farraday is not satisfied with my responses to his various banterings.
スチーブンスはまだ別の感情を持っているようです。
が、まずは分解しましょう。
① But at the same time,
② I cannot escape the feeling
③ that Mr Farraday is not satisfied
④ with my responses
⑤ to his various banterings.
②が中心になる文です。SVOという文型です。
Oは目的語で、普通は「~を」と訳すところですが、動詞が escape だと「~を逃げることができない」と妙な日本語になってしまいます。「~から逃げることができない」とやるところですね。
feeling を説明するのが、③以下です。
つまり that は関係代名詞で、先行詞が feeling になります。
後ろの④⑤から前へ戻って訳していけば良さそうです。
④⑤はどちらも前置詞句ということで、④は私の返事に対して、⑤は彼の様々な冗談に対する、となって、③に戻っていけばよさそうです。
③まで続ければ、「ファラディ様の様々な冗談に対する 私の返事に対して ファラディ様は 満足なさって いない」となります。
②は、そういう感情から逃げることはできなかった、となりますね。
最後に①で、「しかし、同時に、」と始めて、③以下の訳を続ければいいということになります。
前の文は、もっと一生懸命に冗談を考えるべきだった、と言っていました。
そうなのですが、言ったところで、おそらく満足してはもらえない、とも思うわけですね。
ということで、
「しかし、それと同時に、私が精いっぱいお応えしたところで、ご主人様は満足なさらないという気持ちから 逃れることは できませんでした」
としました。
へまが許せないのですね。ややこしいもんです。