203番です。
And let me tell you, if you were to have come into servants' hall on any of those evenings, you would not have heard mere gossip;
セミコロンで終わっていますから、文としてはここで切れるのですが、内容的には次の文も関係があります。
とりあえず分解します。
① And let me tell you,
② if you were to have come
Ⓐ into servants' hall
Ⓑ on any of those evenings,
③ you would not have heard mere gossip;
こんな風に分解できるでしょう。主要な要素は、①②③で、②は仮定法の if 節つまり条件節で、それに場所と時を表す前置詞句のⒶとⒷがくっついている構造です。
③は、仮定法の帰結文です。
ⒶⒷを含む②の仮定文と③の帰結文で、完備した仮定法の文になっています。
まず①は、スチーブンスが読者にお願いをしている文です。説明をもっとしたいので、そうさせてください、と言っているわけです。
「もう少し言わせてください」とか、「さらに言いますと」という感じです。
②の were to は仮定法だからの形で、直説法なら are to で、原型は be to となります。
つまり、were to は、be to の変形で、
予定 ~することになっている、
運命 ~する運命である、
義務 ~すべきである、
可能 ~できる、
などを表します。
have が助動詞として使われるのに似ていると思うのですが、そういう説明は今まで聞いたことがありません。しかし、そう考えると、この be が分かりやすくなると思います。
次の have come の have は、完了を表す助動詞です。さっそく have が助動詞として出てきました。
それにⒶ「召使の控室に」とⒷ「その頃のどの夜でも」をくっつければいいわけです。
ということで、この②は、
「もし あなた方 が そのころの 時間外の夜に いつでも 召使の控室に 来てしまっている としたら」と、
完了と運命との意味を含ませた直訳ができそうです。
予定とか、運命とか、義務とかを表す be to の活用形ですが、ここでは勧誘あたりも選択肢になりそうですね。
来てみてもらえば、とか、ためしに来てみれば、というような感じです。
いつ来てもらっても、職務能力の向上を目指しての討論に明け暮れていて、他人の噂話に花を咲かせることなどとんでもない、という感じです。が、おそらく、そこまで熱心でない輩もいるはずで、そういう連中は居酒屋に行っているはずだから、残っている者たちは結局大真面目に議論をしているのですね。
ということで、
「もう少し言わせてもらえば、その頃私たちの控室にいらっしゃれば 夜遅くまで 噂話どころではない 私たちの姿を ご覧になることができたはずです」
としました。