204番です。

 

more lilely, you would have witnessed debates over the great affairs preoccupying our employers upstairs, or else over matters of imported in the newspapers; 

 

分解します。

 

 ① more likely,  従属節 = if you were more likely
 ②     you would have witnessed debates 主節 SVO
 ③             over the great affairs  前置詞句  over 関して
 ④   preoccupying our employers        upstairs,  分詞構文 形容詞的
 ⑤ or else over matters of import reported  前置詞句 over して
 ⑥            in the newspapers;  前置詞句

  witness  目撃する  debate   討論 論争  

 

こんな風に分解できると思います。文法的な語句の役割も記入してみました。

②が主節です。仮定法になっており、話し手のスチーブンスが読者の行動を想像していることを表しています。

仮定法とは、文法書での説明のように文字で書くと難しい表現になるのですが、「事実に反する」とは「想像したこと」を、ようするに「頭で考えたこと」を表している、と考えればOKです。その印として、時制を一つ前にするわけで、現在の想像は過去形に、過去の想像は過去完了形になります。

未来のことは、目の前にあることではなく、すべて想像ですから、現在の一つ前の時制、過去形が使われるということになります。would やcould などが使われるわけです。私は、未来のことは過去形で書くというのが、英語の面白いところだと感じています。

そして、直説法とは、それとは反対に「目の前のあること」すなわち「事実」を表しているわけです。

「想像」と「事実」、これらにこだわるのが英語です。

それに対して、日本語は「関係」にこだわります。上下、老幼、強弱、親疎などの関係を表したり、区別するために敬語が使われると思います。

 

①は、「よくあることですが」とか「「きっとこんなことを」という感じでしょうか。「毎晩のことでしたが」でもいいと思います。

②が主節です。本体の文です。仮定法になっていて、想像を表しています。召使の部屋に来たならば、という仮定です。そういう仮定に対して、「あなた方は、議論を目撃することになったでしょう」というSVOの帰結文になっています。

この帰結文は、would have witnessed と、時制的には完了形になっていて、一つ前の時制だということを表しています。

③の前置詞句は、について、にかんして、という over で、about とか on も悪くはないのでしょうが、この方が debates には似合っていますね。

④は、分詞構文になっていますが、preoccupy の目的語が emplyers で、「雇い主たちを夢中にさせている」となります。その雇い主たちは、階上のロビーで食事をすませて雑談交じりに天下の重要事を討論しているわけですね。

⑤の or else は、そうでなければ、という感じです。matters of import は、雇い主たちがかかわっている個々の問題に対して、それらの方向性を左右する全体の問題を表しています。そうことは新聞で報道されているということですね。

 

というところで、

「毎晩のように、ご主人様がかかわっているような個別の案件や新聞で報道されている全般の状況について、私たちなりに議論をいたしておりました」

としました。