1-73です。
On inquiring where the bathroom was, the woman told me in a timid voice that although it was the door facing mine, there would be no hot water available until after supper.
今回の文も前回に引き続き、形は初歩プラスアルファですが、内容はかなり高度になっています。要注意です。
まず分解します。
⓵ On inquiring where the bathroom was,
② the woman told me in a timid voice that
③ although it was the door facing mine,
④ there would be no hot water available until after supper.
こんな感じに分解できると思います。
⓵は、on inquiring は接続詞を使って書き換えると
When I inquired her where the bathroom was,
となるのですが、疑問副詞が二つも重なって仰々しいですね。前置詞を使うと軽くなります。
「風呂はどこかと聞くと」
ですね。
ホテルでの質問はこれしかないと思うのですが、それに対して、女主人は・・。
②で、
「女主人は消え入りそうな声で」
答えるわけです。その内容が③になります。
③は、mine は「私の 何か」ですが、この何かが問題です。
「部屋」だと思うのですが、部屋だとすると「部屋の前のドアが風呂だ」となり、それは廊下を隔てていることになってしまい、向かいの部屋まで風呂に入りに行くことになってしまいます。ホテルとして構造的におかしなことにもなります。
「私自身」のことと考えるのがいいかもしれません。そうなれば、「私自身のすぐ前のドア」がバスルームだとなります。部屋の中のドアは風呂以外にはあんまり考えられないけれど、隣の部屋へ通じているドアの可能性もあるので、聞いたのかもしれません。
although は、「けれども」です。
「私のすぐ前のドアがバスルームですけれども」
となりますね。
これまでだと消え入りそうな声になる理由がありませんが、そこで④ですね。
④の would は仮定法ではなくて、意志未来の過去形ですね。時制の一致で will が would になっています。というのも、風呂で熱いお湯が出るようになるのは、夕食後だというのは毎日の日常的事実だからです。つまり、直説法で書くことになって、
「お湯が出るようになるのは夕食後です」
という空想ではない事実を伝えることになります。
there is 構文で、hot water available 使える熱い水 つまり お湯 が no だというんですね。「お湯はでません」となりますね。
いつまでかは、「夕食後まで」です。
ということで、「消え入りそうな声」としていましたが、
「私が風呂はどこかと尋ねますと、女主人は申し訳なさそうな声で、私のすぐ前のドアがそうですが、夕食がすむまではあいにくお湯はつかませんのです、と答えました」
とします。