92です。

 

It is, I believe, a quality that will mark out the English landscape to any objective observer as the most deeply satisfying in the world, and this quality is probably best summed up by the term 'greatness'.

mark out  目立たせる

長い文ですから、分解してみます。

 

⓵ It is, I believe, a quality

② that will mark out the English landscape to any objective observer

③ as the most deeply satisfying in the world,

④ and this quality is probably best summed up by the term 'greatness'.

 

こんな感じでしょうか。

⓵の途中に挿入されている I believe が文法的には主節ということになります。が、「と、私は信じる」というような感じから、「~でしょう」とか「~かしら」とか「私が思うには」あたりまで、表す範囲は広いようですが、どれでしょうか。。

この挿入部分を除けば、①と②はⒶ強調構文の形になりますね。

It is a quality that ~ という形なのですが、Ⓑ It が仮主語で、that 以下が真主語と考えることもできます。またⒸ a qulity が先行詞で、that が関係代名詞と考えることもできます。どれを考えても間違いではないと思います。使っている言葉は同じなのですから、再最終的には似たような訳になると思います。

それよりも、a quality をどう訳すかですね。quality は数えられない名詞と思うのですが、不定冠詞の a がつけられています。「ある品質」あるいは「ある種の品質」と、説明がし難い何か、そういうものが「質」なのだとスチーブンスは言いたいようです。

objective observer は、客観的な、とか、事実に基づく、観察者ということになり、あちらこちらの景観をよく知っており、比較しながら見物するような人の感じがします。「目の肥えた観光客」ということでしょうか。

スチーブンスは、そうはいっても、そういう人たちは本当の良さを知っているのか、という疑問も同時に持っているようです。

⓵十②を訳せば、

「私が思うには、目の肥えた観光客に対しても イギリスの景色を目立たせているものは その質である」

となります。

 

③の as は、「のように」がよさそうです。

「世界中の景色を堪能し尽くしたような」で、②の観光客の様子を説明しています。

 

④は、今まで言ってきたことのまとめですね。ぼんやりと「質」と言っていた言葉をきちんと定義しています。

文全体としては、受動態の文になっています。probably best は副詞句で、is summed up という動詞部分に割り込んで修飾しています。

「こういう質こそが、「偉大さ」という言葉によって おそらくもっともよく 集約される」

となります。

 

ということで、まとめると

「イギリスの景色というものは、世界中を見物し尽している目の肥えた観光客にとっても、際立たせている質というものがあり、そしてそれが「偉大さ」という言葉によってもっともよく集約されていると信じるものです」

としました。

スチーブンスは、かなり強い調子で言っているようにしました。