98です。
I am quite aware it would take a far wiser head than mine to answer such a question, but if I were forced to hazard a guess, I would say that it is the very lack of obvious drama or spectacle that sets the beauty of our land apart.
今回は長い文です。分解してみます。
⓵ I am quite aware
② it would take a far wiser head than mine to answer such a question,
③ but if I were forced to hazard a guess,
④ I would say that it is the very lack of obvious drama or spectacle
⑤ that sets the beauty of our land apart.
と、こんな風に分けてみました。①と②はくっつけておいた方が分かりやすいかもしれませんが、このブログの幅の関係で分けました。この方が見やすいと思います。
⓵が主節、②が従属節です。等位接続詞 but で③④⑤が結ばれています。その中でも
③④が仮定法の従属節(if 節)と主節になっており、③の if 節がきちんとある仮定法の文。です⑤は関代 that で関係させられています。
⓵は、
「私は十分承知しております」ですね。何を承知しているかと言えば、それが②です。
②の it は仮主語で、文末の不定詞 to answer such a question が真主語です。つまり、この不定詞は、名詞というわけで
「そのような質問に答えることは」ですが、そのような質問とは、この前の文96番と97番の内容ですね。
96で「'greatness' とは、何か」、また97で「「どこに、あるいは何の中に、あるのか」とスチーブンスは読者に問いかけていました。
それが、おこがましいことである、ことは十分わかっています、ということですね。
理由は、「私の頭脳より、はるかに優秀な頭脳が必要であるだろう」と、仮定法で、つまり、would を使って、想像とか推察の内容を記述しています。
仮定法という文法用語は、すなわち仮定という限定が必要と思われてしまうところが、欠点だと思います。実際は、仮定をすることで、目で見ている現実とは異なる状況を、頭の中で想定している、あるいは想像していることを意味しており、if という単語がなくても、使うことができるし、これが省略されることはむしろ普通です。
ということで、想像、推察など、頭で勝手に考えているような場合は、仮定法で表現することになるわけです。それゆえに、仮定法と言わずに、「想像推察法」、縮めて「想推法」と呼ぶことを提案します。
これに対して、直説法は、現実の叙述ですから、「現実法」でいいと思います。直説法も、「説」の字が「接」と勘違いしている人が多いのが事実です。
さて、①②に戻れば、
「こういう質問に答えることは、私のものよりはるかに優秀な頭脳を必要としていることは十分承知しております」
となります。
と言っていると、③ではもろに仮定法の if が出てきました。
これは、わかりやすいですね。といっても、受動態で書かれています。ちょっと注意がいります。本来なら am のところが were になっています。
もっと明晰な頭脳が必要な議論であることは十分承知しているけれども、自分が理解していることで構わないから、思い切って言ってみろ、と強制されるなら、言ってみますが、という気分で言うわけですね。
「しかし、私の理解していることをあえて申すなら」
となります。
そういう仮定に対して、④という答えは、
「あえて申し上げるならば、それが、明らかな劇的な要素、あるいは、見映えする要件を持ち合わせていないことにある」
と言っています。
lack をイタリック体にして強調しているところが重要です。普通「ないこと」は欠点であることが多いのですが、イギリスの景色の場合は、人を引き付けるような派手さがないことにその良さがあるのだ、という論理です。
⑤は、関代ですが、先行詞は④の drama か spectacle (どちらか一つで、ゆえに単数)です。
この文はSVOCの文型で、
S は that 、
V が sets (三単現の s に注意)、
Oは the beauty of our land で、
目的補語 C は、apart
です。
「わが祖国の美しさを、遠く離れたものに している ところの」
となりますね。
ということで、まとめると、
「もちろんそういうことに答えるには、私の能力は不十分であることは承知しておりますが、あえて知っていることを申し上げるならば、我が国の景観は、人を驚かすような派手さも見映えも持ち合わせていないことに特徴があると言えます」
となります。