155番です。
If one looks at these persons we agree are 'great' butlers, if one looks at , say, Mr Marshall or Mr lane, it does seem to be that the factor which distinguishes them from those butlers who are merely extremely is most closely captured by this word 'dignity'.
長い文です。ということで、
⓵ If one looks at these persons we agree are 'great' butlers,
② if one looks at , say, Mr Marshall or Mr lane,
③ it does seem to be that
④ the factor which distinguishes them
from those butlers who are merely extremely
⑤ is most closely captured by this word 'dignity'.
と、分解しました。
文の構造としては、if 節が二つあって、③が中心の文で、it が仮主語ですね。さらに、④のthat 節が真主語という構造のようです。
④のthat 節は、関代が使われていて、しかもスチーブンスのキャラが出ている文です。なんとなく複雑に見えますが、単語の使われ方の方向性が分かれば、意味は理解できます。
さて、①②のif 節ですが、①は一般的な内容で、②はそれを具体的に言い換えたものですね。
⓵は、省略されている単語を補ってみると、
⓵ If one looks at these persons whom we agree who are 'great' butlers,
という感じになるでしょうか。分かりやすくなったとはいいがたいですが、
「もし、私たちが偉大な執事だと認められる人を 見かけたならば」
ということです。
で、それを具体的な名前を出したものが②です。
「例えば、マーシャルさんやレーンさんのような人を 見かけたならば」
と、畳みかける感じがします。
結局、①②はまとめて訳して、
「もし、偉大な執事だと思える人に出会ったなら、例えば、マーシャルさんやレーンさんのような人を 見かけたならば」
となるわけです。
③が、今回の主節です。
「it が that である ように はっきり 見える」
となりそうです。
does は、強調ですから、「間違いなく」あたりでもよさそうです。あるいは、「見て取れるに違いない」と用言部分に含めるのがいいかもしれません。
it は、仮主語で、真主語は that 以下と考えればいいと思います。
このところ、スチーブンスは、この言い回しを多用している感じです。本人もそう考えているからでしょうが、引用が多いのもその原因ですね。
ところで、この部分は、that 節を真主語と考えましたが、この that 節を含む to be that が真主語と考えることもできそうです。不定詞が真主語というわけですね。訳としては、あまり変わりがないようです。
「that である ように はっきり 見える」
そして、この that の内容が④と⑤になります。
④は長いのですが、途中で区切ると、かえってわかりにくくなりそうなので、長いままで考えます。もう一度、載せてみると、
④ the factor which distinguishes them
from those butlers who are merely extremely
⑤ is most closely captured by this word 'dignity'.
です。
構造的には、④の the factor が主語、⑤の is captured が動詞で、by 以下を考えると受動態の文になっています。
④の後半部分から訳を始めると、
「単に すぐれている だけである 執事 から」
となって、そこから前半へ行って、
「彼ら(①②であげたタイプの執事)を 区別している 要素は」
と続いて、⑤で決着します。
「品格という言葉によって もっとも よく あらわされて いる」
となります。
capture は、取り入れる、ということですが、受け身にすれば、取り入れられている、となります。「あらわされる、際立たせる」などが当てはまりそうです。
というところで訳をまとめれば、
「もし、私たちが 優れた執事だと思える人びと、例えば マーシャルさんやレーンさんのような人に 出会ったなら、単に能力が高いだけの執事と 彼らを区別する要素は「品格」という言葉で表されるものであることが見て取れるに違いない」
となりそうです。