161番です。

 

and if one did not self-evidently have it, to strive after it would be as futile as an ugly woman trying to make herself beautiful.

 

and は小文字で始まっています。実は前の文はセミコロンでおわっており、この文はその文に対する注釈あるいは補いという感じの文です。

 

if 節と、それに対する帰結文(節)からできている複文です。構造がはっきりするように分けてみます。

 

① and if one did not self-evidently have it,

② to strive after it would be as futile

③ as an ugly woman trying to make herself beautiful.

 

こんな風に分解しました。②と③は続けておいた方が分かりやすいかもしれませんが、分けてみると as ... as の as の個別の働きがよく分かります。

 

さて内容は、スチーブンスは、品格というものは、自身の職務を通じて経験を重ねていくことによって獲得されるものであり、生まれで決まるものではないと、考えているわけで、そうではなく生まれつきである、という考え方に反論をしているところです。

 

①は、one は「誰かが」「人は」ということで、it は、「品格」ですが、

「そして、もし、誰かが あきらかに それを もっていないとしたら」

となり、ます。

 

②は、変則的な語順になっています。

it は 仮主語で、真主語は to strive ですが、「懸命に努力することが」です。

after は、一般的には前置詞ですが、ここでは副詞または形容詞で使われています。つまり、「後からの懸命の努力は」となります。

それが、would は仮定法で、想像を表していることを考えにおいて、futile であると言っています。

「後からの懸命の努力は、無駄であるだろう」

 

それが③につながっていきますが、

「醜い女の人が 自身を美しくすることを試みること のように」

和訳では②に戻るわけです。

 

まとめれば、

「つまり、もし人があきらかに品格を持っていないとしたら、醜い女の人がきれいになろうと後から努力しても無駄なように、無駄になってしまうだろう」

となります。

これはスチーブンスの考えではなく、これを否定するのがスチーブンスの目的であり、このあたりのことは、ヘイズ協会も言っていることですが。