172番です。
I realize that if one looks at the matter objectively, one has to concede my father lacked various attributes one may normally expect in a great butler.
単語は物々しいのですが、文自体はそんなに複雑ではないように感じます。
が、とりあえず分解してみます。
① I realize that
② if one looks at the matter objectively,
③ one has to concede
④ my father lacked various attributes
⑤ one may normally expect in a great butler.
こんな風に分解しました。
分ける基準は、主節、従属節などの文法的要素を中心にしています。
①は主節です。
realize は、know の尊敬語と言っていいと思います。敬語というわけですが、スチーブンスの発言には立場上こういう言葉が多くなるのかもしれません。
「私は、考えております」
と訳せばいいと思います。「おります」という謙譲語がはまると思います。
②は、one も matter も特に具体的なものがあるわけではなく、一般的に誰かが、一般的な対象を 見たりする ということを言っています。
その時に、ただぼーっと見るのではなく、多少は気をつけて、つまり objectively に、注意深くとか、気をつけて、あるいは客観的に観察する という態度で見る、ということです。
「誰でも ある事柄を 客観的に 見るならば」
となります。
③の one は、②の one と同じ人ですが、その人は認めなければならない と訳せます。何を認めるかは、④というわけですが、
「私の父は 様々な特質に欠けていた」
となります。
で、どんな特質化を説明しているのが⑤です。ここでの one も同じ人と考えてよく、
「誰でも 普通に 偉大な執事に 期待してしまう(ところの)」特質
というわけです。
まとめれば、
「私は、ある事柄を 客観的に 見るならば、誰でも 普通に 偉大な執事に 期待してしまう 様々な特質に 私の父は 欠けていた と考えております」
となります。
日本語らしくすれば、
「客観的に見れば、私の父は執事に求められる特質を備えていたとは思えませんが」
とするとよさそうです。