179番です。
Though we must be careful not to attmpt to deny the responsibility which ultimately lies with ourselves, it has to be said that certain employers have done much to encourage these sorts of trends.
文法上のトピックが多い面白い文です。まずは分解してみます。
① Though we must be careful not to attmpt to deny the responsibility
② which ultimately lies with ourselves,
③ it has to be said that
④ certain employers have done much to encourage these sorts of trends.
このように分解しました。
①は、though から始まる副詞節で、譲歩の意味があります。執事、すなわち雇われている側にも責任がないわけではないが…、と譲歩しています。
②は、関係代名詞の which は①の the responsibility が先行詞で、それを説明しています。
③が、主節です。 it と that で仮主語と真主語になるのですが、動詞は has to ねばならない、と、be said の受動態との複合体になっています。
④は、雇主の責任の方が実は大きいということを言いたいので最後に盛ってきています。it that は強調構文と考えた方がいいのかもしれません。
構造というか、論旨の進め方を見たところで、訳を考えます。
①は、we must be careful ですから、
「我々は 注意深く あら ねばならない」と
must の使い方通りです。次の not to attempt は、不定詞の否定は直前に not を置く、ですから、
「試み ない こと」
になります。attempt 試みる の目的語は、to deny the responsibility ということで
「責任を否定する こと」を となります。
ここまでをつなげると、
「責任を 否定することを 試みないことに 注意深く あらねばならないけれど」
となります。
「責任を否定しようとは思いませんが」
とすれば日本語らしくなります。
②は、その責任を説明しているのですが、
「我々自身に 完全に 存在している ところの」責任です。
lies with が名文句ですね。三単現ではなく、原形にすれば、lie with ですが、自分で意識して獲得するものではなく、そもそも自然に備わっていて、文句を言う筋合いではない という感じが出ています。
①②をまとえると
「我々にも間違いなく責任があることを否定する気はないのですが」
となります。
③は、has to ねばならない + 受動態 be said 言われる ですから、
「that 以下のこと が 言われ ねばならない」と、
仮主語と真主語を考慮すると、訳せます。
真主語は、④ですから、
「ある雇主は、そういう風潮を 増長させることに 多くのことを してきた」
と、have done much と現在完了形で、以前からそういう傾向に手を貸してきたことを責めています。
そういうパフォーマンスをするのは執事自身には違いないのですが、それを許してきた、あるいは見て見ぬふりをしてきた雇主の責任はどうなのかと、言っているわけですね。
というところで、
「我々にも間違いなく責任があることを否定しようとは思いませんが、雇主もそういう傾向を増長させてきたことが言われなければなりません」
となります。