206番です。

 

Sometimes, naturally, there would be strong disagreements, but more often than not, the atmosphere was dominated by a feeling of mutual respect.

 

スチーブンスのこういう言い方には慣れてきました。分解してみます。

二つの文が等位接続詞 but で接続されています。

 

① Sometimes, naturally, 副詞 副詞
②  there would be strong disagreements,  主節
③ but more often than not,  等位接続詞         more often than not 通常 大抵     しばしば
④   the atmosphere was dominated  主節 受動態
⑤                             by a feeling 前置詞句
⑥                                  of mutual respect.  前置詞句

 

①②で一つの文です。その間に naturally が挿入されています。

「時には、自然と 激しい 討論に なることもありましたが」

でよさそうです。

would は単純な未来 will の過去形です。次の文も was dominated と過去形になっています。つまり時制の一致というやつですが、こっちの文が先ですから、was dominated の方が、過去形で一致したというべきです。

 

③の but で、それを打ち消すわけです。そして熟語が続きます。

「(激しい言い争いになるといっても、取っ組み合いのけんかになるのではなく)いつも」

となって、④に続きます。

④⑤は受動態の例文みたいです。まともに受動態として訳すか、ちょっと策を考えるか、というところです。

⑥の前置詞句は、a feeling にかかっています。

「その論争の雰囲気は お互いの尊敬の感情によって 支配されていました」

というのが直訳です。

 

まとめると、

「ときには、激しい論争に なることも ありましたが、お互いに相手を 尊重しあって いましたから どんなときも 穏やかで ございました」

としました。

 

今回は楽でしたね。

 

 

 

 

205番です。

 

and of course, as fellow professionals from all walks of life are wont to do when gathered together, we could be found discussing every aspect of our vocation.

 

分解しますが、この文も小文字から始まっています。内容は続いています。

 

① and of course,  接続詞 強調
② as fellow professionals  従節? S  前置詞句? 
③        from all walks of life    前置詞句
④             are wont to do 従節? V動詞
⑤ when gathered together,  従節? S省略
⑥       we could be found  主節 SVC
⑦        discussing every aspect 補語
⑧                               of our vocation.  前置詞句

  wont  wont (wonted)  wont (wonted)  慣れる 習慣である

 

①は小文字で始まっています。前の文とは内容は連続しているが、文法的には独立しているわけです。

「そして、もちろん」ですが、「そして 付け加えれば」という気分です。

どうしてこういう場合が列挙してあるかといえば、202番にさかのぼります。

そこでは、暖炉のそばで仕事が終わった夜間に様々なことを話し合っていたと書いてありました。そのテーマは、

203番では噂話のようなものではなく、

204番では雇い主たちが絡む重要案件や新聞で取り上げられる政治的話題を始め、

205番では自分たちの生活や人生における先輩たちからのアドバイスなどと

セミコロンで区切って、内容が詳しく書かれていました。

そういう仕事時間外の気のおけない座談会で、スチーブンスは冗談に関して皆の意見が聞きたかったというわけです。

 

②③④は、as が使われていて、従節みたいですが、as は前置詞と考えていいようです。

「先輩として」ですね。そういう先輩かというと、③④で限定されています。つまり、

③ from all walks of life となっていますから、「人生のあらゆる場面からの」「生活のあらゆる経験をして」ということです。一人ですべての場合を経験しているということではなく、一つの経験をした大勢が集まっているから、みんなの話を聞けば、多くの経験を自分のものにできるという感じです。

④の are wont to do は、現在形で複数です。③のall walks より②のfellow professionals にかかっていると考えるのが自然だと思いますが、

「することに慣れている先輩として」です。

ということで、②の as は接続詞で始まっている従属節と考えるより、前置詞と考えた方がよさそうです。

もう一つ⑤の when の方が従属節ですね。

③は、前置詞句で fellow professionals にかかっています。all walks は,「すべての道」という感じでしょうか。「場面」の方が近いかもしれません。

④は、とりあえず「することに慣れている」ですが、関代 that を補って all walks of life にかかっていきます。これが複数ですから、動詞は are wont と複数になっています。wont は過去分詞です。wont to do で「することに慣れている」「してしまう」となります。

「することに慣れている人生の経験からの先輩として」となりますが、スムーズな訳が欲しいところです。「生活面でも豊富な経験を持つ先輩として」でしょうか。

 

⑥⑦⑧が主節です。直訳は

「自分たちの職務の すべての側面を 討論する のが 見られる」

です。 

 

それはどんなときかが、⑤です。

「一堂に集まったとき」

で、一日の職務を終えて控室に集まったとき、というわけです。

ここは主語が省略されています。その主語は、②のfellow professionals です。

召使や女中、さらに執事などの同業の先輩たちということで、③人生のすべての面での経験者ということです。

そういう経験者は④することに慣れている、というわけです。

 

前の文では、雇い主たちが関わっている政治的案件を自分たちも議論していました。そういうことばかりでなく、身近な自分たちの生活習慣についても、当然、話し合っていますよ、ということを付け加えたわけです。

それが①で、「そして、付け加えるならば」という感じです。

 

ということで、①、⑤のとき②③④で、⑥⑦⑧の順に訳せばよさそうです。

「そしてもちろん、私たちは集まったときには、さまざまな経験豊富な先輩たちから 自分たちの職務などについて拝聴しているのが見られるはずです」

としましたが、もっとスムーズな訳がありそうです。

 

 

 

 

 

 

 

204番です。

 

more lilely, you would have witnessed debates over the great affairs preoccupying our employers upstairs, or else over matters of imported in the newspapers; 

 

分解します。

 

 ① more likely,  従属節 = if you were more likely
 ②     you would have witnessed debates 主節 SVO
 ③             over the great affairs  前置詞句  over 関して
 ④   preoccupying our employers        upstairs,  分詞構文 形容詞的
 ⑤ or else over matters of import reported  前置詞句 over して
 ⑥            in the newspapers;  前置詞句

  witness  目撃する  debate   討論 論争  

 

こんな風に分解できると思います。文法的な語句の役割も記入してみました。

②が主節です。仮定法になっており、話し手のスチーブンスが読者の行動を想像していることを表しています。

仮定法とは、文法書での説明のように文字で書くと難しい表現になるのですが、「事実に反する」とは「想像したこと」を、ようするに「頭で考えたこと」を表している、と考えればOKです。その印として、時制を一つ前にするわけで、現在の想像は過去形に、過去の想像は過去完了形になります。

未来のことは、目の前にあることではなく、すべて想像ですから、現在の一つ前の時制、過去形が使われるということになります。would やcould などが使われるわけです。私は、未来のことは過去形で書くというのが、英語の面白いところだと感じています。

そして、直説法とは、それとは反対に「目の前のあること」すなわち「事実」を表しているわけです。

「想像」と「事実」、これらにこだわるのが英語です。

それに対して、日本語は「関係」にこだわります。上下、老幼、強弱、親疎などの関係を表したり、区別するために敬語が使われると思います。

 

①は、「よくあることですが」とか「「きっとこんなことを」という感じでしょうか。「毎晩のことでしたが」でもいいと思います。

②が主節です。本体の文です。仮定法になっていて、想像を表しています。召使の部屋に来たならば、という仮定です。そういう仮定に対して、「あなた方は、議論を目撃することになったでしょう」というSVOの帰結文になっています。

この帰結文は、would have witnessed と、時制的には完了形になっていて、一つ前の時制だということを表しています。

③の前置詞句は、について、にかんして、という over で、about とか on も悪くはないのでしょうが、この方が debates には似合っていますね。

④は、分詞構文になっていますが、preoccupy の目的語が emplyers で、「雇い主たちを夢中にさせている」となります。その雇い主たちは、階上のロビーで食事をすませて雑談交じりに天下の重要事を討論しているわけですね。

⑤の or else は、そうでなければ、という感じです。matters of import は、雇い主たちがかかわっている個々の問題に対して、それらの方向性を左右する全体の問題を表しています。そうことは新聞で報道されているということですね。

 

というところで、

「毎晩のように、ご主人様がかかわっているような個別の案件や新聞で報道されている全般の状況について、私たちなりに議論をいたしておりました」

としました。

 

 

203番です。

 

And let me tell you, if you were to have come into servants' hall on any of those evenings, you would not have heard mere gossip;

 

セミコロンで終わっていますから、文としてはここで切れるのですが、内容的には次の文も関係があります。

とりあえず分解します。

 

① And let me tell you,

② if you were to have come

 Ⓐ                into servants' hall       

   Ⓑ             on any of those evenings,

③ you would not have heard mere gossip;

 

こんな風に分解できるでしょう。主要な要素は、①②③で、②は仮定法の if 節つまり条件節で、それに場所と時を表す前置詞句のⒶとⒷがくっついている構造です。

③は、仮定法の帰結文です。

ⒶⒷを含む②の仮定文と③の帰結文で、完備した仮定法の文になっています。

 

まず①は、スチーブンスが読者にお願いをしている文です。説明をもっとしたいので、そうさせてください、と言っているわけです。

「もう少し言わせてください」とか、「さらに言いますと」という感じです。

 

②の were to は仮定法だからの形で、直説法なら are to で、原型は be to となります。

つまり、were to は、be to の変形で、

 予定 ~することになっている、

 運命 ~する運命である、

 義務 ~すべきである、

 可能 ~できる、

などを表します。

have が助動詞として使われるのに似ていると思うのですが、そういう説明は今まで聞いたことがありません。しかし、そう考えると、この be が分かりやすくなると思います。

次の have come の have は、完了を表す助動詞です。さっそく have が助動詞として出てきました。

それにⒶ「召使の控室に」とⒷ「その頃のどの夜でも」をくっつければいいわけです。

ということで、この②は、

「もし あなた方 が そのころの 時間外の夜に いつでも 召使の控室に 来てしまっている としたら」と、

完了と運命との意味を含ませた直訳ができそうです。

予定とか、運命とか、義務とかを表す be to の活用形ですが、ここでは勧誘あたりも選択肢になりそうですね。

来てみてもらえば、とか、ためしに来てみれば、というような感じです。

いつ来てもらっても、職務能力の向上を目指しての討論に明け暮れていて、他人の噂話に花を咲かせることなどとんでもない、という感じです。が、おそらく、そこまで熱心でない輩もいるはずで、そういう連中は居酒屋に行っているはずだから、残っている者たちは結局大真面目に議論をしているのですね。

 

ということで、

「もう少し言わせてもらえば、その頃私たちの控室にいらっしゃれば 夜遅くまで 噂話どころではない 私たちの姿を ご覧になることができたはずです」

としました。

 

 

 

 

 

202番です。

 

Indeed, in those busy days, our servant's hall would often witness gathering of some of the finest proffesionals in England talking late into the night by the wormth of the fire.

 

さて、分解しましょう。

 

① Indeed,

② in those busy days,

③ our servant's hall would often witness

④ gathering of some of the finest proffesionals in England

⑤ talking late into the night by the wormth of the fire.

 

こんな風に分解できます。

 

①は「確かに」、

そして②は「その忙しかったころは」でいいですね。「その頃は忙しくて」の方が日本語としておさまりがいいと思いますが、全体の調子次第ですね。

③が本体の文です。SVの文型です。

Sは our servant's hall で、Vは would often witness です。witness は自動詞であることに注意です。自動詞は、時々受け身のような訳になるようです。

「控え室は見られている」というように、られている が使われます。

 

④⑤は分詞構文になっていて、それぞれ「集まって」とか「話し合って」と、witness にかかっていきます。副詞の働きをしているのです。

 

ということで、③を中心にして、後はこれらをつなげば訳は完成ですが、③の would が気になりますね。often もあります。

前の文201番でも would often はそろって出てきていました。同じ感じですね。

「私たち召使の控室は 時々 目撃された だろう」と訳せば、大きな問題はないだろうと思います。

仮定法か、意志未来の過去形かは、どっちつかずにしておくのがよさそうです。

 

で、どういう状態で目撃されるかというと、それが④⑤の分詞構文で説明されています。

④「イギリス各地からの 優秀な 召使たちが 集まって」、finest が「優秀な」ですが、「こまやかな」とか「よく気がつく」「気が利く」「行き届いた」という感じです。

⑤「暖炉の 暖かさの脇で 夜遅くまで 話し合って」いるのが目撃されるはずだとなります。暖炉の熱に負けない熱さが感じられますね。

 

ということで、

「確かに、忙しかったその頃は、控室の 熱い暖炉の周りでは 夜遅くまで 議論している召使たちを 目にすることが できたでしょう」

とします。

 

 

 

201番です。

 

And of course, in Lord Darlington's days, when ladies and gentlemen would often visit for many days on end, it was possible to develop a good understanding with visiting colleagues.

 

これも長い文ですが、それほど複雑には見えません。一安心ですが、まず分解することにします。

 

① And of course,

② in Lord Darlington's days,

③ when ladies and gentlemen would often visit for many days on end,

④ it was possible

⑤ to develop a good understanding with visiting colleagues.

 

こんな感じになるでしょうか。④⑤が本体の部分です。本体中の本体は④ということになります。

「それが可能でした」

というのですが、it は仮主語で、真主語は⑤ to 不定詞 to develop です。

つまり、「訪ねてきた 同業者と 良い 理解を 開発する こと」が可能だった、

となります。

 

ダーリントン卿の時代には、そういうこと、つまり有力な雇い主たちに従ってくる同業者間の討論会ができて、いかに高尚なことに自分たちの能力を捧げてきたかと 懐かしむと同時に、その頃なら仕事とはいえないような、経験しようとは考えないような、つまらないことに頭を使わなきゃいけないことに 近頃はなってきた、と嘆いているわけですね。

 

さて、「そういうことができたのも、」という感じが、①です。「そして、もちろん」ですが、前の文は、先輩同輩と心行くまで討論することができたと言ってました。

この And も前の文から接続していることを表現しているわけです。

 

②はすんなり「ダーリントン卿の時代には」ですね。

 

③の when は「~の時」というより、as とか becausu の感じが強いですね。

①の And of course を補強しているようです。

「有力なお客様が続けてお越しになられたので」

でいいと思います。

 

気をつけるというか、一寸気になるのが、would です。これは、仮定法ではなく、意志未来の過去形と考える方がいいと思います。というのも、有力な紳士淑女たちがダーリントンの邸館に来ていたことは事実であって、それが繰り返されていたから、often が使われているわけです。

そういうことが昨日や今日のみならず、明日を含む将来にわたって続いていたことは、想像ではない事実だから、仮定法ではないということになります。

が、明日を含む将来、というのは、やっぱり想像であって確定した事実ないことも事実ですから、それは仮定法であるとなるところです。

まあ、ここはどちらの側面も持っているところだと、理解しましょう。

 

⑤の a good understanding は「良い理解」ですが、自分たちの職務に対して「良い理解」ということで、「良い自分たちの職務技能」ということです。さらに develop は開発するですが、ここでは「磨く」あたりが適当ですね。

 

ということで、

「それというのも、ダーリントン卿の時代には、地位の高いお客様方が続けてお泊りになっていらっしゃいまして、私たちも同業の士と自分たちの職務技能を磨くことができたからでございますが」

としておきます。

 

 

 

 

 

 

200番です。

 

Not so long ago, if any such points of ambiguity arose regarding one's duties, one had the comfort of knowing that before long some fellow professional whose opinion one respected would be accompanying his employer to the house, and there would be ample opportunity to discuss the matter.

 before long  まもなく ほどなく

 

きりばんの200番になりました。長い文ですね、もっと短い文でもよかったのですが。

と言っても、それほど込み入ってはいないようです。

分解してみます。

 

① Not so long ago,

② if any such points of ambiguity arose regarding one's duties,

③ one had the comfort of knowing

④           that before long some fellow professional

⑤                                   whose opinion one respected

⑥        would be accompanying his employer to the house,

⑦ and there would be ample opportunity to discuss the matter.

 

こんな風に分解できそうです。

①は副詞、「それほど長い昔ではなく」というのですから「ちょっと前には」ですが、浦島太郎の感じですね。変化がピンとこないというか、拒否している感じです。

 

②は条件文で、つまり従属節です。「こんな時には」と条件を付けています。

③が主節です。これが本体ですね。文型はSVOです。

③は主語は one です。had が動詞、the comfort of knowingが目的語という構造です。その目的語には、④以下が修飾しています。「人は知る喜びを持つ」。なるほどです。

 

④の先頭は that という関係代名詞で、先行詞は knowing ということで、それを説明しているのが、④⑤⑥です。

⑤から行くと、「誰もが尊敬する考えを持った」④「先輩が」「長くなる前に」となります。

⑥が④⑤の動詞部分ですが、「彼の雇い主にお供をして、この邸館に」となります。つまり、

「ほどなく しっかりした考えの先輩方が ご主人様に お供をして この邸館に やってくるので、 考えを聞く楽しみがあった」

となります。

⑥の would は仮定法で、想像していることを表しています。

そしてまた、進行形になっていますが、繰り返していることを表しているようです。

 

⑦は、there is 構文の変形です。また would が使われています、仮定法で、今現在目の前で起きていることではなく、想像のことだよ、というわけです。

「重要な問題についての幅広い話し合いがあった」となります。

構造的には、関係代名詞、先行詞という品詞の制約があるのですが、意味的には、この⑦は、⑥にすぐ続けてもいいように思いますが。

 

さて、まとめると、

「ちょっと前までは、職務上どうすべきかわからない問題が生じたときには、ほどなくしっかりとした考えを持つ先輩方がお主人様のお供をしてこの邸館にやってきて、考えを聞く楽しみがございましたし、また、闊達に意見を交換することもできたのでございます」

となりますね。

and 以下は、どっちに続くかは気にしないことにします。