112番です。
It was in those days, then, prompted by my natural admiration for the lady, that I had first taken to perusing her volumes on the library whenever I had an odd moment.
ちょっといり組んでいるようです。分解してみます。
1 It was in those days
2 , then,
3 (when I ) prompted by my natural admiration for the lady,
4 that I had first taken to perusing her volumes on the library
5 whenever I had an odd moment.
こんな感じでしょうか。3行目に、when I を補いました。
1行目の It と4行目の that は、形式主語と真の主語と考えるか、強調構文と考えるか、ですが、実際のところこの違いが私にははっきりしません。
訳も、that 以下のことをしたのは、その頃でした、となるわけで、どっちでもいいかと思うのですが。
とりあえず、It = that 以下と考えておきます。
ということで、4行目から考えます。
I had first taken は、過去完了形です。途中に入り込んでいる first を消して、I had taken にすると分かりやすくなります。1行目の It was の時点よりも少し前の時点を、その時には完了していたということで完了形で表しています。へー、厳密にやるんだ、という感じですね。
現在形 < 現在完了形 < 過去形 < 過去完了形 の順で古くなるわけです。
first は、「真っ先に」、つまり、5行目 odd moment があるときはいつでも、ほかのことをしないで、真っ先に、ということです。「とるものもとりあえず」とか「すぐに」です。
5行目、odd は、半端な、ということですから、まとまった業務が早めに終わってしまい次の業務までちょっと時間がある、という感じでしょうね。moment まで含めて「手のすいたとき」とか「手のすいた合い間に」です。
4行目5行目を続けて訳せば、
「ちょっとでも手がすけば、図書室で夫人の著作を読むために真っ先に手にした」となりそうです。
2行目 then は、サイモンズ夫人は職員の間では人気が高かったと前の文で書いていましたから、スチーブンスもやはり気に入ってわけです。
「そんなことで」としたら、当てはまりそうです。
3行目 the lady は、サイモンズ夫人のことです。
補った関係副詞 when 節は、1行目 の in those days に掛かるのですが、1行目まで修飾させてみると、
「私が、夫人に対して自然な親愛の情によって、動かされていた、そのころにありました」
と直訳できます。
ということで、まとめると、
「そんなことでサイモンズ夫人には懐かしさを覚えておりましたので、手のすいたときには図書室で、まず夫人の著作を手に取ってじっくり読んでいたのでございます」
としました。