30番の文です。これも長いです。

 

what I mean to say is that Miss Kenton's letter set off a certain chain of ideas to do with professional matters here at Darlington Hall, and I would underline that it was a preoccupation with these very same professional matters that led me to consider anew my employer's kindly meant suggestion.

 

小文字から始まっているのは、前の文がセミコロンで終わっていたから、というか、こっちが勝手に文を区切ったからですね。

 

また例のごとく、文を並び替えることにします。

 

what I mean to say is that

                           Miss Kenton's letter set off a certain chain of ideas to do with

                                                        professional matters here at Darlington Hall,

and I would underline that

                           it was a preoccupation

                                      with these very same professional matters      

                           that led me to consider anew

                                      my employer's kindly meant suggestion.

 

set off   引き起こす のきっかけになる 

do with    満足する すます 扱う 処理する

underline  下線を引く 強調する 明白にする

preoccupation   没頭 夢中 夢中にさせるもの 先入観 

anew   もう一度 再び 新たに

 

と、こんな感じになるでしょうか。

and で、二つの文が連結されています。これも対句的配列ですが、微妙に異なっています。前の文は直説法ですが、後ろの文は仮定法になっています。

仮定法といっても、スチーブンスが私たち読者の考えていることを想像しているからであって、難しく考える必要はないところです。

 

また、set off とか、do with というやさしい単語とともに、professional とか、preoccupation とか、なんとなく堅苦しい言葉が出てくるのは、それがスチーブンスの性格、特に職業上の経験の豊富さの反映として表現されているのかもしれません。

 

what I mean to say は、関係代名詞節というやつです。what は、先行詞を含む関係代名詞で、「私が意味することは」となって、これが主語になっています。

その後の is が、直説法の動詞で、that が補語、つまり

「私が意味することは、that 以下のことです」となります。

 

で、that 以下はというと、

ダーリントンの邸館での職務上の問題を処理する一連の考えに、ケントンさんの手紙がきっかけになった」

ことですね。

これは、事実として直説法で表現されています。あくまでも、ケントンさんから手紙が来たことがきっかけですよと、スチーブンスは主張しています。

「ケントンさんからの手紙が、ダーリントンの邸館での職務上の問題を処理するための

 一連の考えのきっかけになりました」というのが直訳です。

 

次に、underline する方は、would で仮定法になっています。スチーブンスが頭で考えていることを、私たち読者に理解をお願いしている気持ちの表現でしょう。

「~ということを、強調させてください」と、私たち読者に頼んでいます。が、you は省略されていますね。

 

 何を強調したいかというと、that 以下のことですね。

で、that 以下はというと、

また形式主語の it が出てきて、すなわち 真の主語は、led me の前の that 以下です。

直訳は、

「私の主人の親切な提案を考え直させることになったことが、まさしくこの職務上の問題に関して、私の心を夢中にさせた」

となるのですが、かみ砕くと、

「まさしくこの職務上の問題に関して、ご主人様の言いつけを再考すべきとの考えが膨らんできました」

となります。

that を関係代名詞で、その先行詞は these very same professional matters と考えると、

おかしくなってしまいます。その時には、it が宙に浮いてしまうのですが、さかのぼって探せば、どれも対応してしまいそうですから、厄介です。

多分これで正解だと思うのですが、コメントまで。

 

ということで、

「私が申し上げたいことは、ケントンさんから手紙がきたことがこのダーリントンの邸館における運営上の問題を解決する糸口になるかもしれないということでございます。

強調しておきたいことは、まさしくこの運営上の問題に関して、ご主人様からのお言いつけを考えなおすべきとの考えが大きくなったことでございました」

と訳しました。