117番です。
I studied all over again those marvellous descriptions and illustrations, and you can perhaps understand my growing excitement at the notion that I might now actually undertake a motoring trip myself around that same part of the country.
notion 考え 概念 見解 意見
例のごとく分解してみます。
① I studied all over again those marvellous descriptions and illustrations,
② and you can perhaps understand
③ my growing excitement at the notion
④ that I might now actually undertake a motoring trip myself ⑤ around that same part of the country.
長い文ですが、さほど複雑ではないようです。
ガイドブックの、ガイドブックだからこそのオーバー気味な描写に乗せられていく感じがよく出ていると思いますが、スチーブンスは別な思惑があるのでなおさらです。むしろそれを隠すために、ことさら本をほめているかもしれません。
①は、そういう感じの前振りです。
studied all over again は、study を使うところがさすがです。ガイドブックはメモを取りながら見ることが多いです。「隅から隅まで何回も暗記するくらいまで読みました」という感じでしょうか。
②の you は「読者」です。ここは can と直説法になっています。こういう気持ちになるのが当たり前ということで、現実性の表現です。
文の構造は、③が understand の目的語になっています。
「(~を)ご理解いただけると存じますが」となるのですが、(~を)を後回しにする方が分かりやすいようです。
③の at the notion は、次の関係代名詞 that 以下で説明されています。
本の説明・描写にどんどん興奮してくる感じです。「~という想像において」ということですが、日本語的には、「と想像すると」とか「と思うと」ですね。
主語は、my growing excitement ですが、「沸き上がる興奮を」となるのですが、「興奮が沸き上がる」というように、用言として訳すと日本語として落ち着きます。
④の might は、仮定法です。そこに行っているわけではないのに、勝手に行ったつもりで想像している場面です。想像の事柄ならば、仮定法というわけです。
ところが、文法書の多くは、「想像していること」を「事実に反する仮定」と、分かりにくく説明しています。落ち着いて考えれば、そんなに難しいことではありませんが。
「その同じ地域を私自身でドライブすることになるかもしれないと」となって、③の at the notion につながっていきます。
ということで、
「隅から隅まで何回も暗記するくらいまで読みました。お分かりいただけると存じますが、その同じ地域を私自身でドライブすることになるかもしれないと思っただけで、気がたかぶってまいります」
としました。