139番です。

 

To have continued pronouncing aloud my thoughts on the future of Darlington Hall would have been, to say the very least, presumptuous.

 

to say the least (of it)   控えめに言っても 

presumptuous   生意気な おこがましい

 

珍しく不定詞が主語になっています。今までの例ですと、こういうケースは、仮主語 it 真主語 that 以下という構文を使っていました。同じパターンは避けたかったということでしょうが、やはり分かりやすくありがたいです。

ということで、今回は特に分解をしなくても、すみそうです。

 

1行目の To have continued pronouncing aloud my thoughts という不定詞が主語です。

時制的には、現在完了になっており、先ほどまでは自分の考えを力を込めて話していたのに、今は黙ってしまっているという、動作の移り変わりや変化が感じられます。

 

時制の話題としては、would は仮定法です。目の前の現実ではなく、頭の中で想像していることを意味しています。一般的に「仮定」とは「現実とは異なる状態を仮定すること」と、ある意味で限定して使われるのですが、将来のことなどは、現実にはまだ起きていないことなので、そうなると仮定すれば、という感じで、つまり想像の表現として仮定法が使われるのです。こういう仮定を拡大解釈したような広い使われ方に慣れると仮定法が面白くなります。

 

ちなみに、直説法の「説」は言うという意味で、「直」は、見えていることを直接に、とか、現実をありのままに、という意味ですから、合わせれば、「現実をありのままに言う方法」となります。

 

以前は「仮定法」のことを「叙想法」という文法用語で呼んでいた時代もありました。思ったこと、想像したことを叙する方法ということです。

この「叙想法」に対して、直説法は「叙実法」と読んでいました。現実を叙する方法というわけです。

 

ここでは将来のダーリントンの邸館のことを考えているのですから、想像であることは極めて当然なのです。そして、想像ゆえに仮定法の would という過去形を使って未来を語ることができるところが英語の面白さにつながります。

 

というところで、気持ちや動きの変化が一つの文に現れているわけですが、

ダーリントンの邸館がどうなるかについて私の考えを声を大にして話し続けるこては、控えめに言ったところで、おこがましいとのそしりを免れません」

としましたが、

「このまま、声を大にしてダーリントンの邸館のありようについて申し続けることは、控えめに申しましても、僭越でございましょう」

という訳もありかなと思います。