225番です。
I was obliged, as I was saying, to spend some uncomfortable minutes standing in the drawing room yesterday afternoon while Mr Farraday went about his bantering.
さて、分解をしてみます。
① I was obliged, | 主節SV |
② as I was saying, | 挿入節 |
③ to spend some uncomfortable minutes | 不定詞句 |
④ standing in the drawing room | 現在分詞 |
⑤ yesterday afternoon | 副詞 |
⑥ while Mr Farraday went about his bantering. | 従節 |
⑥の go about は、熟語ですね。辞書には「に取り掛かる」とか、「~をする」とか「~に精を出す」などが出ていますが、言っていた、くらいな感じでよさそうです。ここは冗談ですから「飛ばしていた」くらいでしょうか。
①に戻ると、私には~の責任があった、ということです。
つまり、ファラディ様の冗談にうまく受け答えができなかったことに、責任があった、ということです。
文法的には、②の挿入節を飛ばして、③の不定詞句につながり、結果を表しています。
「しばらくの間、いたたまれない数分間を 過ごすことになった」という責任は、私にある、ということですね。
②は、そういう責任がどうして生じたか、という原因を表しているわけで、
「私が言ってしまったことのせいで」という感じですが、
「(ファラディ様の冗談に)私がうまく答えられなくて」と、
言ったことより、うまく言えなかったことを表す訳の方が、しっくりくるようです。
で、その間どんな格好をしていたかが、④です。
「執務室で 立ったままで」
というスタイルです。
それはいつか、というと、⑤の昨日の午後なわけで、スチーブンスは一晩悩んでいたことになるのですが、こういう責任感、あるいは忠誠心が執事には必要なのかもしれません。
午後に何をしていたかというと、それが⑥で、
「ファラディ様が冗談を飛ばしていた間」です。
というところで、まとめれば
「私に責任があることでございますが、昨日の午後執務室で、ファラディ様の冗談に私がうまく答えられなかったことで、いたたまれない時間を過ごすことになったことでございます」
と、読者に話がどこまで戻ればいいかを示しました。