91です。

 

the English landscape at its finest - such as I saw it this morning - possesses a quality that the landscape of other nations, however more superficially dramatic, inevitably fail to possess.

 

前の文はコロンで終わっていましたので、この文は小文字で始まっています。内容はつづいているものの、文としては独立しているということです。

 

直説法の文で特に問題はなさそうです。分解をしてみます。

 

⓵ the English landscape at its finest

② - such as I saw it this morning -

③ possesses a quality

④ that the landscape of other nations,

⑤ however more superficially dramatic,

⑥ inevitably fail to possess.

 

こんな感じに分解しました。

⓵②③がまず一塊で、これが主節です。①と③の間に付け加えの文②がハイフンではさまれて入っていますが、これは注釈、というか、今朝スチーブンスがここへ来る途中に見たイギリス人が自然とともに作り上げてきた景色のことを挿入しています。

①がSで、③がVとOの文型ですが、これが本体です。。

「英国の景色というのは、今朝見た風景のように、緻密さにおいて、魅力を持っている」

となります。

at its finest というのが、話のポイントです。fine という形容詞の最上級 finest を名詞として使って、前置詞 at の目的語にしています。

at its finesse でもいいとは思うのですが、やっぱ最上級を使う方が力を感じます。

「緻密さにおいて」としましたが、自然の条件、つまり、斜面の角度とかの自然の条件を最大に生かして人間がその営みにかなうように作り変えたときに生まれる景色こそが崇高なのだと説くわけです。

a quality とさらりと言っていますが、quality という言葉の中に、もうすでに高い質というものが入っていることは改めて言うまでもない事柄で、それは写真などに形として映るものではない、と考えていますね。

ただ大きくて雄大ならば、それでいいわけじゃない、というスチーブンスの考え方のようです。

 

④⑤⑥が関代 that に導かれている従属節ということになります。

that の先行詞は ③の quality です。この言葉をスチーブンス的に説明するわけです。

④が主語部分です。「他の国々の景観には」となります。

⑤は、副詞句と考えて、「とりわけドラマチックに映し出すように」でいいですね。

⑥が述語動詞部分となり、「必然的に、持つことをなくしてる」となるのですが、

これを日本語らしくつなげると、

「とりわけドラマティックに映し出すような他の国々の景観には必ず表現される感動がないものの」

という感じです。

 

今回は前から順に訳した方が日本語になりやすいかもしれません。

ということで、

「イギリスの景色というものは、今朝見てきたように、その精緻なことが人を動かすのですが、他の国々の雄大な景観が持っているような壮大さは持ち合わせてはいないのでございます」

としました。