164番です。

 

In my view, then, it was rather defeatist from a vocational standpoint to adopt a stance like Mr Graham's.

 

そんなに長くない文ですが、つまりそれほど入り組んではいないということになりますが、意味は結構入り組んでいます。

英語らしいというか、日本語では使わない品詞や言い回しが多くて、訳すときに言葉を選ぶ必要があります。

分解というほどではないのですが、構成を明確にするために分けてみます。

 

① In my view, then,

② it was rather defeatist from a vocational standpoint

③ to adopt a stance like Mr Graham's.

 

このように分けてみました。

①は、前置詞句は、副詞の役割をする副詞句です。then も副詞ですが、接続詞とも考えられます。

②が文の本体と言え、SVCの文型をしています。

it は形式主語で、真主語は ③の to adopt という不定詞ですが、まず defeatist まで訳すと、

「それは、むしろ敗北主義です」つまり、「それは、無駄になってしまう」

となり、それに前置詞句 from a vocational standpoint が後ろから修飾しています。

「使命観的見地からみて」ですが、よくわかりません。

最後まで文を読んでいい訳を考えることにします。

 

③は真主語部分ですが、

「グレアムさんのような人の考え方を受け入れることは」

が、主語というわけです。

グレアムさんは、「品格は生まれつきのもので、後から身に着くものではない」という考え方を持っていました。

後から、努力を重ねれば品格を獲得することができるというのが、それに対する考え方で、不断の努力を重ねて一生をかけて身につけるものだと思っているわけで、

グレアムさんの考え方を認めたら、その考え方に負けてしまうこと、になるというのがスチーブンスの考え方になりますね。

つまり、使命感を持って努力すれば、品格を身につけることができる、という見地を放棄してしまうという主張になります。

 

というところで、

「だから、私の考えでは、グレアムさんのような考えを認めることは、使命感を持って努力しても、それは無駄になってしまうということになります」

としました。