119番です。

 

There was always the possibility, of course, that his suggestion of a fortnight ago may have been a whim of the moment, and he would no longer be approving of the idea.  

 

whim  気まぐれな思い付き 出来心 むら気  巻き上げ機

approve  賛成する 是認する 承認する 認定する

 

分解してみます。

⓵ There was always the possibility

② , of course,

③                                 that his suggestion of a fortnight ago

④               may have been a whim of the moment,

⑤ and he would no longer be approving of the idea.  

 

こんな感じになるでしょうか。

 

①は、「いつでも、可能性があります」で、②の、「もちろん」を含めれば、

「もちろん、いつも可能性はあります」となって、どういう可能性かを③の that 以下で説明しています。

 

③と④は、③が主語、④が動詞と補語、のSVCの文形で、簡単です。それだけに、何かの仕掛けがあるのではないかと用心したくなりますが、その必要はなさそうです。

 

というよりもむしろ、⑤の and 以下を、どこへくっつけるかが問題かもしれません。

and と he would の間に 関係代名詞 that を補って、つまり、③④と⑤が possibility と考える以外にはなさそうですが、そうすると、③④と⑤の文の形が違いすぎるので、違和感を感じてしまいます。

 

文の構造的には、possibility = ③④と⑤ だとしても、and を、単純に等位接続詞と考えないで、その結果次のようになったと、因果関係の表しているような接続詞と考えれば、いろいろな違和感は解消します。それから、とか、だから、という感じです。

 

というところで、①の possibility は、まず③④だけと考え、

「二週間前のファラディ様のお話は、その時の思い付きであったという可能性がございます」とし、

そのあとへ、⑤をくっつけて、

「その結果、もうお認めにはならないかもしれません」

というような訳の方が適切と考えます。

 

それはそうとしても、この文は時制が一筋縄ではありません。

①は主節ですが、was と過去形です。

③④は、従属節のはずですが、主節と時制の一致はせずに現在形です。

⑤は、would となって、時制が一致しているとも考えられます。will というファラディさんの意志をあらわっしていると考えると、確定した未来の事象、となり、スチーブンスにとってはちょっと悲観的です。この would は 仮定法と考え、ファラディさんの考えを推測・想像しているとした方がいいと思います。

 

というところで、

「もちろん、二週間前のお申し付けはその場の思い付きに過ぎず、今では考えが変わってしまっている可能性がございます」

としました。