127番です。

 

Mr Farraday will usually have just returned from his short walk on the downs at that point, so he is rarely engrossed in his reading or writing as he tends to be in the evenings.

 

engross   を奪う を~に専心(没頭)させる

tend to   どうも~のようだ

 

面白い、というか、時制を厳密に書くとこうなる、という文のような気がします。

will は将来のことですし、have just returned は現在完了形で、意味としては、過去から繰り返されている習慣をを表しています。

さらに、so 以下の文では、is と tends という二つの動詞が現在形で使われているのですが、意味としては将来のことを表しています。内容は言うと、これまた過去から繰り返されている習慣です。

この文は、全体の時制は現在形で表現されています。その中に、将来ことと、過去から続けれれていた習慣が組み込まれていることになります。

英語の時制というのは、面倒くさいものですが、こういう使い方ができるとなると、面白さにハマることになるのかもしれません。

 

というところで、分解してみます。

 

① Mr Farraday will usually have just returned

②                         from his short walk on the downs at that point,

③ so he is rarely engrossed in his reading or writing

④   as he tends to be (engrossed) in the evenings.

 

時制のニュアンスを感じ取ることが重要のようで、文としてはさほど複雑ではありません。

①②は、ひとつながりの文ですが。

at that point は、邸館の所在地のことですね。

on the downs は、邸館の周りに広がる住宅地やら牧草地、農耕地などのことで、多分番地が down していくのではないかと思います。または、邸館が小高いところにあって、そこから周りの地形が低くなっているのかもしれません。

ここでは、「邸館のまわりのひと時の散策からお戻りになられると、いつもは」という感じでいいと思います。

 

③④は、so ・・・as  と、原因と結果的な組み合わせになっています。辞書には、程度・結果として、~するほどに~な、とか、~するよう(な具合)に、などと出ています。

so は、本来は rarely の前に置かれるべきでしょうが、接続詞的に文の先頭に出てしまったので、倒置のような語順になっています。

読むことに没頭してしまうとそのまま夕方になってしまうことがたまにある、という感じでいいと思います。④の途中に engrossed を補いました。

「~くらい没頭して、夕方になってしまうことがまれにあります」というわけです。

 

そうなってしまうと夕方まで言う機会がなくなってしまうので、お茶を持っていったらすぐに言うべきだな、とスチーブンスは考えているわけですね。

そのタイミングは正解なのですが、ファラディさんの方でも散歩の後で、けっこう血のめぐりは良くなっていることを、スチーブンスは忘れているようです。

 

それはともかく、

「ファラディ様は、邸館の周りのひと時の散策からお戻りになると、読み物や書き物にとりかかられるのが常で、時には熱中なさってそのまま夕方まで過ごされることがございます」

としました。