1-77です。

 

On looking out of the windows, one saw on the opposite side of the street a bakery displaying a various of pastries, a chemist's shop and a barber's.

 

今回も直説法の文ですが、主語が one になっている面白い文です。

文型は SVO ですが、目的語が三つあり、コンマと and で区切られているというか、連続しています。

とりあえず、分解してみます。

 

⓵ On looking out of the windows,

② one saw on the opposite side of the street

③ a bakery displaying a various of pastries, a chemist's shop and a barber's.

 

こんなふうに分解してみました。

⓵は、When one looked out of the windows, と書き換えることができます。

「窓から外を見てみれば」

ということです。この when 節の主語は、主節の主語 one に合わせましたが、実際は I つまり、スチーブンスですが、この部屋を利用する人は誰でもこういう窓からの景色を目にするはず、ということで、one が使われているわけです。

 

⓵を上のように書き換えて従属節にすれば、②と③が主節ということになります。

主語が one で、動詞が saw 、そして目的語が③の中に三つある、というSVOの文型になります。

on the opposite side of the street は、前置詞句で、どこに見えるかを説明しています。

「道の反対側には、があります(人は見れる)」

 

③は、目的語ですが、その三つの目的語が A , B and C という形につながっています。最初はコンマで区切り、次は and で区切るという教科書通りになっています。

displaying a various of pastries は、現在分詞句で、後ろから bakery にかかっています。

「パンをいっぱい並べたパン屋さんと、薬局と理髪店が(見えます)」

というわけですね。

 

ということで、

「窓から外を見れば、向かい側には、パンをいっぱい並べたパン屋さんと薬局と理髪店がありました」

となりますね。

 

ここで疑問。

スチーブンスが宿に着いたのが、午後3時半で、部屋に案内された時間は4時ごろと考えると、その時間にパン屋にパンがいっぱいあるだろうか、ということです。

僕は名古屋に住んでいますが、今池に「仲屋」というパン屋があって、非常にうまいパンを売っているパン屋です。おすすめですが、4時にはほとんどのパンが売り切れになっているのが当たり前です。つまり、希望のパンを買おうとすれば、3時前にはいかないと買えません。

どうして、このホテルの前のパン屋は、4時の段階でパンがいっぱいあるのだろうか。

 

いっぱい、が誤訳かもしれない。

「多くのパンが置ける(棚のある)」

ということでしょうね。

 

イギリスは麦の国ですから、パンもうまいと思うのですが、イギリスの地名がついたパンは少ないように感じます。どうしてだろうか。

イギリスパンがないわけではないけど、山形で、結局は食パンのふたをしなかっただけと思ってしまいます。つまり、フランスほどバリエーションがないと感じるわけで、そこが不思議です。ウイスキーは、同じく麦からの産物なのに、あれだけのバリエーションがあるのにね。

風土を生かすやり方に、何らかのクセがあるのかもしれません。