1-78です。
Further along, one could see where the street passed over a round-backed bridge and on into more rural surroundings.
今回も面白い文です。
could が微妙ですね。
直説法 can の過去形と考えるか、仮定法の could と考えるかです。
つまり、 one が見れば、見ることができた、と考えるか、見るならば、見えたでしょう、と考えるかです。
one というのは、具体的にはスチーブンスのことで、その部分では、自分が見ていた現実の景色となり直説法です。
ところが、それにとどまらず one には主語を他の誰かにまで広げる働きを持っているので、その多くの one に対しては見えているだろうと想像を働かせることになります。こうなると、仮定法ということになります。
訳に大きな違いが出るのではないので、まあ、どちらでもいい、となりそうです。
ということで、分解をしてみます。
⓵ Further along,
② one could see where
③ the street passed over a round-backed bridge
④ and on into more rural surroundings.
こんな感じになるでしょうか。
面白いのは、②の最後の where ですね。疑問副詞というより名詞に近い感じがします。somewhere と考えると、see の目的語となって文形が落ち着きます。
③の先頭に that あるいは which を補ってやると、where が先行詞になって、関係代名詞のパターンが出来上がります。②と③は、
「 人は、道が丸い背の橋まで続いている、ところを 見ることができる」
となります。
それに④が続きます。
「そしてその先は、田園が取り巻いています」
on は、何かの上、というより、何かに接触して、または、くっついて いるという感じの前置詞で、橋から向うはすぐに田園風景に into 突入して それが広がっているという感じです。
もっとも、遠くから見ると、橋の上に、田園風景が広がっていると見えるかもしれません。
というところで、
「もっと遠くに、丸い背の橋まで道が続いており、その先には田園風景が広がっておりました」
としました。