1-62です。

 

And I believe it was then, looking on that view, that I began for the first time to adopt a frame of mind appropriate for the journey before me.

 

今回も長い文です。その上構造も入り組んでいます。

分解して構造を見てみましょう。

 

① And I believe (that)

② it was then, looking on that view,

③ that I began for the first time

④ to adopt a frame of mind

⑤ appropriate for the journey before me.

 

こんな風に分解してみました。

①が主節です。that を補ってあります。that 以下は②以下ということになります。

believe は現在形で、今スチーブンスが話している時点での時制です。②以下は過去形になっていて、旅行をしているときの時制です。

「(that 以下)と思います」「と思っています」となりますね。

 

②以下は、①の内容になります。何を思っているかの説明です。

時制は過去になっています。その時点での現在というわけです。

さて、it は仮主語です。真主語は③と考えたらいいですが、問題は then です。

then は通常は副詞なんですが、ここでは名詞と考えるべきなのです。

仮主語 it は当然 S で、was が動詞で、then  が補語になり、

「それはその時でした」となるわけで、日本語らしくすれば、

「その時に ~しました」と訳せばいいと思います。つまり、

「景色を見ながら、その時に ③以下 となりました」

 

④は「気持ちの大枠を受け入れること」です。

それはどんなことかは、⑤で形容されていて、「自分の前にある旅行にふさわしい」気持ちになった、とスチーブンスが思っているわけです。

 

以上を、前後に会うような言葉に変えながら訳していけば、

「そんな景色を見ながら、私は今度のたびに対する自分の気持ちが固まってくるような気がしていました」

とまとめられると思います。決意がはっきりした、あるいは、覚悟ができた、という感じなのですね。

 

ということで、

「そういう景色を見ながら、私はこれからの旅行に対する覚悟がやっとできたのだと思っています」

とします。