1-80です。
I would suppose it was shortly after four o'clock that I left the guest house and vebtured out into the streets of Salisbury.
今度の文では、would が使われています。ということは、文としては仮定法となるのですが、内容はその時の事実を説明しているので、想像ではないわけです。
単純に supposed と過去形を使えばすむのに、would を使うのは、仮定法の第二の用法のせいですね。つまり、丁寧さを表現しているわけです。誰に対して丁寧にしているかは、スチーブンスが読者に対して丁寧な気持ちを、へりくだった立場を表明していると考えればいいと思います。スチーブンスは職務上、そういうへりくだった立場とか、丁寧さが染みついているのかもしれません。
英語での、敬語表現ということになります。敬語というのは、敬うことの表現ですが、一方でその敬うことに対する根拠や関係を明示することにもなります。それが多くは立場の違いとなり、上司と部下、経営者と従業員、雇主と雇われ人、さらに、本の中では、主人公と読者という関係にかかわってきます。
というところで、分解してみます。
⓵ I would suppose it was shortly after four o'clock
② that I left the guest house and vebtured out into the streets of Salisbury.
こんな風に分解しました。
it は that 以下と考えればいいと思いますが、強調構文的です。
⓵は、
「それは、4時をちょっと過ぎたころだったと思っております」
②は、
「ホテルを後にして、ソールズベリーの街を見て回ったのは」
ということで、合わせれば
「私がホテルをあとにして、ソールズベリーの街を見て回ったのは、4時を少し回った頃だったと記憶しております」
としました。
この物語の季節は夏で、夏至は過ぎているものの、イギリスの緯度を考えると、日が暮れるまでにはまだまだたっぷりと時間はあります。4時間はありそうです。