132番です。

 

When two or three such persons were gathered together at our servants' hall - I mean of the calibre of, say, Mr Graham, with whom now, sadly, I seem to have lost touch - we would have some of the most stimulating and intelligent debates on easy aspect of our vocation.

 

長い文ですが、途中にハイフンの挿入部分があるようです。

まず分解です。

 

⓵ When two or three such persons were gathered together at our servants' hall

② - I mean of the calibre of, say, Mr Graham,

③  with whom now, sadly, I seem to have lost touch -

④ we would have some of the most stimulating and intelligent debates

⑤ on easy aspect of our vocation.

 

こんな風に分解しました。

④⑤が主節で、①はそれの従属節です。②③は挿入節で、どんな人がいたのか、ということの例示になります。

 

⓵の were とか、④の would とか、仮定法でよく見かける単語が出てきていますが、ここでは直説法と考えればいいと思います。とはいえ、仮定法の気分も入っている、というか、想像の情景を懐かしんでいるという、心の内を書いていると考えた方がよさそうです。

④の would は、「過去の習慣」と言われているものですが、現在の情景ではない、という点で、矢張り心の内と考えられます。

「よく~したものだった」という感じの訳になります。

 

⓵は、

「二人か三人、そういう人が召使部屋に一緒に集まったときには」とか、

「そういう人たちが二人か三人も、召使部屋に一緒になろうものなら」

ということです。

文をよく見ると受動態になっています。集められた、ということは、何か集める力があったということになります。それは、天の力、になると思います。偶然とはいえ、何かに導かれるように、気鋭の若手召使が集まろうものなら、という感じですね。

そういう自分の職務に燃えている召使たちの例がハイフンの中で語れている人物です。

 

②③のハイフン部分は後回しにして、先に主節の④に行くと、

「我々は、いつも 最も刺激的で、知的な討論の時間を 持ったものでした」

と直訳できます。

some は英語では、debates という名詞にかかっているわけですが、日本語では動詞にかけて副詞的に訳す方が、つまり、「いつも」にした方がなじみます。

 

で、どういう討論かを説明するのが、⑤です。on は、「について」の前置詞です。

easy は、気楽に、という感じで、「遠慮なく、自由闊達に、思う存分に」という感じがします。

「自分たちの職務について 遠慮なく 議論をしたものでした」

となります。

 

ハイフンの中は、such person を受けて、どんな人かを例にあげると、という感じです。

「私は、たとえば グラハムさんの例を 意味しているのですが」

です。

「私が意味しているのは、例えばグラハムさんのことですが、」の方が、日本語らしかもしれません。

calibre は、キャリバーと言われているもののようですが、銃の内径を意味するようで、基準とか、更に、模範、手本などと考えればよさそうです。

そのあとに、そのグラハムさんの情報を③で付け加えています。

③は書き換えると、

 I seem to have sadly lost touch with whom now, 

となりそうです。whom という関代と with という前置詞が、前に出てきてしまった結果です。

「残念なことに 今では 彼の 消息は 途絶えてしまって いますが」

と、付け加えています。

時制的には、この挿入部分は、現在形です。つまり、グラハムさんの現在については情報が途絶えていると言っているわけで、過去と現在の時点の違いが面白いところです。

 

まとめれば、

「そういう人たちの二人か三人が、召使部屋に一緒になろうものなら、例えば、今では消息が残念ながら途絶えてしまっていますが、グラハムさんのような人ですが、いつも私たちは、自分たちの仕事について、自由闊達に議論をしたものでした」

となります。