121b です。(番号をつけるのを間違えたようです。)
I could have told you this at the height of his reputation, just as I could have predicted his downfall after a few short years in the limelight.
文の構造から言えば、複文ということになるわけですが、それほど文の構造に厳格にならなくてもよさそうです。
just as 以下が従属節で、his reputation までが主節と考えればいいのですが、むしろ、just as は and ぐらいに考えた方がよさそうです。
「そして」とか、「さらにまた」などで二つの同じ形の文をつなげるわけです。
まず、例のごとく分解してみます。
⓵ I could have told you this
② at the height of his reputation,
③ just as I could have predicted his downfall
④ after a few short years in the limelight.
こんなふうに分解しました。②と④は、前置詞句ですから、状況を説明しているもので、それぞれ⓵と③にくっつけておいた方がいいかもしれません。
⓵と③は、対句っぽく同じ形をしています。
両方にある could は、仮定法ではなく、直説法 can の過去形と考えた方がいいと思います。できた、と断言していると思うのですが、仮定法と考えて、できたでしょう、と、気持ちを類推するように表現していると考えてもいいかもしれません。
スチーブンスのネイバーズさんに対する反感をを考えると、この could は直説法過去で、断言していると考えた方がいいと思うのですが、執事としてもスチーブンスならあくまでも丁寧な言葉遣いをするはずで、仮定法と考えるべきかもしれません。
this は、前の文の内容、つまり、彼が偉大な執事の境地に近づくことはなかった、ということを指しています。
というところで、
⓵は、「私はこのことをあなた方に言うことができた」
②は、「彼の名声が頂点にあった時に」
③は、「そしてまた、私は彼の転落を予言することができた」
④は、「脚光を浴びたわずか数年ののちに」
とそれぞれ訳すことができるので、
あわせて、
「彼が頂点にあった時に、私はこのことを言うことができました。そしてまた、脚光を浴びたわずか数年ののちに転落することを予言することもできたのでございます」
となります。